#2 新卒入社した会社を1年半で退職。マネー系YouTuberがニート生活を経て気づいた事とは?

就活「真面目」にやってますか?

自己分析、企業研究、ES作成、やることが多すぎて「テキトー」に投げ出したくなのも就活。

就活をテキトーにやるとどんな結果になるのか?

入社後ミスマッチが起こり退職した"ぱすたお"さんの経験を元に、就活で気をつけるべきポイントを考えてみましょう。

第2回では、新卒就職、ニート生活、転職活動を経験した、ぱすたおさんにキャリアのアドバイスを伺いました!

【ぱすたお】
マネー系YouTuber。YouTubeチャンネル「ぱすたお家のFIREセミリタイア戦略ch」の運営者。自身の知識や経験を元に、株式投資や家計管理などお金にまつわる情報を発信中。

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ファーストキャリアは銀行

--新卒で入社した銀行を1年半で辞めたと伺いましたが、その経緯を教えてください。

そうですね、典型的な就職活動をミスったパターンです。笑

私は就活を無理やり終わらせてしまいました。当時は体育会の部活に所属しており、とにかく就活を早く終わらせて、4年生の最後の大会に出たかった。

4月1日が就活解禁日だったので、そこで採用開始する企業に絞って、10社ぐらい受けました。

銀行、生命保険、損害保険、金融公庫など、金融機関ばかりでしたが、解禁前の早い段階で銀行から内々定が出て、世間的な評判もよかったのでそこに決めました。

しかし、企業研究も自己分析も甘かったので、入行後にめちゃめちゃミスマッチだった事に気付きました。ここから、悩める日々が始まります。

入社後のギャップ

--どういうところが合わなかったですか?

あくまで私の感覚ですが、閉塞的な社風と減点主義の評価制度が合いませんでした。

金融業界に限った話かは分かりませんが、「ミスをしない人が評価される」「新しい事をやろうとしたり、突飛なことは煙たがられる」こういう雰囲気がありました。 

私は好奇心が強く自由に色々やりたい性格だったので、「これはしんどいな」とギャップを感じました。

大前提として、その部分をよく知らずに入行した私が悪いです。

その社風が合っている人もいますし、たくさん勉強させてもらい感謝している部分も多いです。勘違いして欲しく無いですが、良い会社ですし、あくまで私には合わなかったというだけです。

体も心も限界で退職

--辞めた理由は、積極的理由と消極的理由のどちらでしたか?

両方です。

積極的な理由としては、学生時代の後悔込みで、もう1回真面目に就職活動がしたかった

消極的な理由は、身体と心が限界にきていました。

新卒2年目に入ったぐらいで上司に辞意を相談しました。2ヶ月間くらいは上司や先輩から飲みに誘われて引き留めがありましたが、退職の意思は変わりませんでした。

退職が認められてからの引き継ぎ期間は針のむしろ状態で、そこが本当に辛かったです。

引き継ぎ期間は3ヶ月程度あったんですが、「あいつ辞めるから関わる必要ないよ」「辞めるから適当に仕事してんだろ?」という感じで扱われ、メンタル的にも辛く、ミスをすることも増えてきました。

車で事故れば会社に行かなくていい

ミスすると、「やる気がない」「辞めるから手を抜いてる」そんな風に言われました。そんなつもりは微塵もなかったので、本当にしんどい時期でした。

当時は会社の最寄り駅から足が震えてきて、気持ち悪くなって駅で吐いてから日々会社に向かってました。

車で客先に行く時は「このまま曲がらなかったら事故って会社行かなくていいんだ」ぐらいに思うようになってて。

典型的なうつ病の症状ですが、妻に聞くと「当時は相当やばかった」らしいです。

どんな組織でも合う合わないがある。それは、仕方ないと思います。

自分がたまたま合わなかっただけで、フィットする人も当然いる。それはどの会社も同じかなと思います。

納得感を持って就職先を選ぼう

--大学3年生ぐらいから就活してた自分に、今アドバイスとして言いたい事はありますか?

いろいろな業界を見て、自分なりの正解や納得感を持って就職先を選んでください!

頑張って選んだ就職先なんだから、入社後も頑張ろう!って思える納得感を得られるようにしておく。

これはすごく大事だと思います。

自分なりに仮説を立てて自己分析をしたうえで、ここがいいんだって選んで行ったら納得感がある。

就職先選びに正解も不正解もない。自分の軸や信念が無いと、就職後に合わないとすぐに「就職先選び間違えた…」と自分で不正解にしてしまう

それは余りにも勿体無い。どんな仕事にも楽しい事や辛い事はあるし、合う部分と合わない部分はある。今の自分に100%合っている完璧な会社なんて存在しない。

就職後に不満や不安が出た時に心の支えになるのが、就職活動で自分がその会社を選んだ時の軸となる考え方や納得感。それがあれば多少辛い事があっても乗り越えてプラスにできるはず。

私も今思えば、銀行時代は「就職先選び間違えたかも…」と自分で思い込み過ぎて、良い面を見ようとしていなかったと反省もしている。

改めて就職活動は人生の大きな選択なので、自分が納得できるまでちゃんとやるべき。

内定が早く出たから入社を決めるとか、やっちゃダメだよ。笑

銀行辞職後のニート生活

--退職後は何をしていましたか?

銀行を辞めた後は、半年ぐらい無職期間を過ごしました。

最初の1ヶ月は、メンタルがやばくてひたすら休んでました。

アニメを見て漫画を読んで、(お金も無いので)自転車で行ける範囲で外出して。生意気にも、本屋併設のスタバに行って優雅に本を読んでました。笑

2冊まで本を持ち込めるので、「勉強になりそうな本」と「全く興味がない本」を1冊持ち込んで読んでいました。

投資本など実用的な本だけじゃなく、雲の種類を解説した本、日本刀の本、女性向けのコミックエッセイなど、普段読まない本を読んでいましたが、これはこれでいい時間でした。

虚無と去就

そんな生活を続けていたら「俺このままでいいのかな?」と虚無感が襲うようになってきました。当然ですよね。

同世代の友達はバリバリ仕事してる。焦る気持ちもあったと思います。

とりあえず退職ブログを書いてみたり、ガンプラをひたすら作ったり。なにかをやって心を落ち着かせていたのが2ヶ月目でした。

そうしたら徐々にメンタルが回復してきて、3ヶ月目には転職活動を始めました。転職エージェントからは「何でこの1ヶ月何もしなかったんですか?」と怒られました。

無職の1日は長い

–-回復が早いですね。そのニート生活は1ヶ月ぐらいでお腹いっぱいになったってことですか?

そうですね。最初の1週間はめちゃくちゃ長く感じました。

会社員の月曜から金曜は記憶にないくらいあっという間ですが、仕事を辞めてみると1日1日がすごく長く感じました。

初めは「会社に行かなくて最高!」だったのに、徐々に「俺この後どうなっていくんだろう」って不安が生まれて。

当時は資産も収入も無かったので、お金の問題もあるし、社会的な見られ方とか、若干気にしちゃった部分もありました。

でも、働いている時はそんな事をじっくり考える時間も無いくらい忙しかったので、1ヶ月って時間は十分過ぎるぐらいの長さだったと思います。

ニート脱出と転職活動

--転職活動の際の軸はありましたか?

銀行とは全然違う会社に行こうと決めました。

金融以外の業界をひたすら見て、会社の規模もベンチャーから大企業まで、いろいろ見て選考を受けてみました。

新卒就活と違って、転職には合同説明会やセミナーがありません。なので一次面接で会社のことを詳しく聞きながら選考を受けるみたいな事も多く、様々な会社を受けられて楽しかったです。

「新卒就活の時は全然会社を見てなかったんだなー…」とか思いながら、いろんな業界や企業を見ていました。

大手消費財メーカーへ転職

--最終的にどういう企業とご縁がありましたか?

退職して4ヶ月目に大手の消費財メーカーから内定をいただき、そこに入社しました。

元々は全然知らない業界でしたが、選考を受けたらめちゃくちゃ良い会社で、面接官やお話しした社員さん達の雰囲気も合っていたので、そこに決めました。

世間的には成熟産業で成長が難しいと思われている会社でしたが、だからこそ、会社を変えようとする気運も強く、若手の内から色々な事にチャレンジできる環境だった事も良かったです。

無駄を楽しむ会社は働きやすい

少し余談ですが、転職を通じて、仕事に対する一つの考えが生まれました。

それは「ヒト・モノ・カネに関わる仕事は大変!」という事です。

ヒト・モノ・カネは社会を成り立たせるために非常に大事な要素です。だからこそ、それに関わる仕事はミスが許されず責任も重い、つまりブラック度合いが高くなる。

逆に、ヒト・モノ・カネに関連しない産業は無駄とも言える一方、無駄を楽しむ余裕があるとも言える。なので、結果として働きやすいところが多い

偏見かもしれませんが、参考までにどうぞ。笑

[文:ことね / 編集:吉中智哉]

[撮影:梨本和成 / デザイン:舩越英資 ]

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探究ゼミ編集部
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