#4 YouTubeでお金の話をする人は詐欺師なのか?未経験から独立できたマネー系YouTuber"ぱすたお”が動画作りに込める想い

煽り立てたサムネに大量の札束。"誰でも"、"楽々"、"簡単に"、そんな広告やYoutuber見たことありませんか?"

お金稼ぎ!や投資!の話ってぶっちゃけ怪しくないですか....?

そんな直球の質問を、マネー系YouTuber"ぱすたお"さんに思い切ってぶつけてみました!!🙏

そこから見えてきた、"ぱすたお"さんの動画作りのこだわりとは?!

【ぱすたお】
マネー系YouTuber。YouTubeチャンネル「ぱすたお家のFIREセミリタイア戦略ch」の運営者。自身の知識や経験を元に、株式投資や家計管理などお金にまつわる情報を発信中。

ぱすたおさんへの個別の連絡や質問はこちらから▶️ぱすたお公式LINE

僕がYouTubeで生計を立てれるようになったワケ

--YouTubeについて、最初の4ヶ月は伸び悩んだという話がありました。なぜ途中で挫折しなかったんでしょうか?

なぜか意外とくじけなかったですね笑

なんでかなと考えたら、単純に動画制作が面白かったんだと思います。

動画コンテンツは、ブログなどのテキストコンテンツに比べて表現の仕方が広い。シンプルにそこが楽しかったです。

自分はいつも面白半分で動画を作っていますが、そうして楽しんで作った動画の方が、意外と視聴者さんのウケは良かったんですよね。

とは言っても、動画投稿を始めた最初の頃は全然見られなくて、10回再生が当たり前、100回再生でスゴイ!みたいな感じでした。

どうして伸びないのか分からずモガく感じで辛かったんですが、見方を変えるとすごい事だと気付いたんです。

「100回再生って事は、100人も見てくれてるんだ!」
「世界の誰かが動画を見て”いいね”してくれてる!」

そんな風に思うと、伸びない時期でも嬉しかったんですよね。

再生回数度外視で少しマニアックな話をする事もあるんですが、そういう動画に対しても色んな視点のコメントが付く事があります。

その時は、「こんなこと考えてるの自分以外にもいるんだ」みたいに、仲間を見つけられた感じがして嬉しくなります笑。 

動画1本の制作時間

--チャンネル開設当初は動画1本作るのにどのくらい時間かけていましたか?

最初はめっっっっっっちゃ時間かかってました。

MacBookを持っていたので、最初から入っているKeynote(Macのパワポみたいなソフト)でスライドを作って、iMovieで編集して、1週間に1本ペースで動画を作っていました。

毎日2時間ぐらいかけていたので、動画1本に14~15時間かかっていた計算になります。

ブログとYouTubeの違い

過去に転職ブログを書いていましたが、その時は「これ誰が読むの?」みたいに思っていました。

全然アクセスもないし、世の中に転職ブログは溢れてる。SEOも企業サイトが強いので「こんなんもう無理でしょ」って諦めもありました。

それに対してYouTubeはアルゴリズムが優秀で、興味がある人の所にちゃんと届けてくれる。それに、興味を持った人からの反応、レスポンスがちゃんとある。それが次の制作の原動力になります。

長い目で見て期待しない

あとは短期で成果を出そうと思ってなかったのもあります。

あくまで趣味的にやって、10年以内に収益化。そしたらFIRE後にちょっとお金も入ってくる。いい趣味として続けられたらいいな、ぐらいの温度感でした。

だから期待値も低かったし、それも続けられた要因かもしれません。

YouTubeで投資の話をする人は詐欺師か

--とはいえお金稼ぎや資産形成の話をするYouTuberは多いです。他のチャンネルと差別化で意識しているポイントはありますか?

これはYouTubeの全ジャンルに言える事ですが、「空いているポジションを探す」ことです。

確かに、お金について発信するユーチューバーはたくさんいます。オリエンタルラジオの中田さんも一時期やってましたし、リベ大の両学長はその筆頭と言えるかもしれません。

ただ、そこを細分化していくと、意外とポジションは空いています。

例えば、僕がYouTubeを始めた当時、投資や節約の話をする個人YouTuberはすでにいました。一方、FIREやセミリタイアをメインテーマにしてる人は、自分を含め3人しかいませんでした

そんな感じで空いてるポジションを見つけて先に陣取ることが、差別化に繋がっていると思います。

ちなみに、残りの2人とは今でも繋がっていて「あの時大変だったよね」って思い出話をよくします。

ぱすたお流YouTubeコンテンツの流儀

--マネー系YouTuberの中には、金持ちになることを煽ったり怪しい投資話をする人もいますが、ぱすたおさんが発信の中で心がけていることはありますか?

自分で言うとクサくなりますが、「誠実さ」を心掛けています。 

煽りとか、過激な発言は伸びそうな気がしますが、自分は責任を持てないし、適当なことも言えない。なので自分なりに誠実な発信を心がけています。

お金で悩んでいる人の助けになりたい、FIRE・セミリタイアのために頑張ってる人に役立つ知識を届けたい。そう思ってYouTubeを始めたので、ここで目先のお金目当てに嘘を言っちゃうと、本末転倒になってしまいます。

トレンドネタや時事ネタを扱う際にも、「最近こういう発信があるけど、実はこういうリスクや注意点もあるよ」みたいな事も正直に伝えるようにしています。

堅い、面白みがないと言われるかもしれませんが、真面目にFIREに向かってる人や、既にFIREしている人が見たら嘘か本当か分かるので、そこは誠実さを心がけています。

YouTubeの視聴者層について

--投資について勉強するとぱすたおさんの発信の正しさが分かりますが、そこに辿り着いてる視聴者の人たちもすごいですね。

そうだと思います。他のYouTuberからも、「視聴者の民度高いですよね」って言われます。意外と珍しいみたいですね。

ダイエットで例えると「適度な食事、適度な運動を続ければ痩せるよ!」みたいな内容なので、「1日5分で簡単に痩せる!」みたいなインパクト重視の人と比べると面白みにはかけます。

そういう点では、面白みに欠ける僕のチャンネルに登録して下さっている人たちは、リテラシーが高い人が多いんだと思います笑。

キャッチーさと誠実さのバランス

--サムネイルだけ見るとドキッとするタイトルの時もありますが、キャッチーさと誠実さのバランスはどう取られていますか?

その塩梅が難しいんですよねぇ…。

動画を見てもらえないと伝えたい事も伝わらない以上、多少インパクト重視のサムネイルはご愛嬌だと思いますが、動画の内容まで煽っちゃダメだし、嘘を伝えちゃダメだと思っています。

サムネはインパクト強めにしますけど、中身は割とまともっていうギャップですね。

見てもらわないと届かないので、そこはしょうがないと割り切っていますが、塩梅は難しいです。恐らく全てのYouTuberが悩んでいると思います笑。

ぱすたお流YouTube動画のネタ作り

--動画の企画や内容はどうやって決めていますか?

主な軸は2つあります。金融のトレンドとYouTubeのトレンドです。

金融系の大きなニュースが出たら、それに関して知りたい人が多いと思うので、関連したコンテンツを作るようにしています。

例えば2022年だったら、12月に新NISAに関する報道がでました。なので2023年は新NISA元年だと思い、ひたすら新NISA関連の動画を出しています。

あとは、YouTube内で伸びているジャンル。

最近だと、老後系の話、例えば50〜60代向けの資産形成の話はYouTubeのアルゴリズムに押される傾向があります。なので、その関連コンテンツも作りました。

日常の延長線上だと、誰かから質問された内容で面白そうなものをメモするようにしています。芸人さんじゃないですが、日々の出来事をメモして、ひたすらタスク管理ツールやネタ帳に貯めています。

中堅ユーチューバーの憂鬱

--YouTubeを始めた当初とある程度軌道に乗ってきた現在とで、変わったこと、変わらないことはありますか?

変わらないことは、投稿した動画を見てもらって感謝される事は嬉しいという事です。

逆に変わったことは、登録者数が増えるにつれ、視聴者の顔がボヤけてきた事です。

視聴者の顔がボヤける

登録者が100人未満の時は、

「この動画を見て登録してくれたんだな」
「こういう人に届いているんだな」

というのがある程度鮮明に見えてました。

ですが、登録者数が1万人を超えた辺りからそれがぼんやりしてきて、視聴者が求める動画と求めていない動画の違いがよく分からなくなってきました

これはイケる!と思った動画が意外に伸びなくて、微妙かも?と思った動画が予想外にハネる。

数万人のチャンネル登録者はどんなコンテンツに興味があるのか?それが見えなくなってきてしまいました。

ただ、これはYouTuberあるあるらしく、知り合いのYouTuberも「1万人超えてから分から無くなった笑」と言っていましたね。

だから自分だけじゃないとは思いますが、そこでやりづらくなった部分はあります。もっと規模が大きくなったら、また次の壁があるかもしれません。

どんな状況でもコンテンツ制作は続ける

--YouTuberとしての今後はどう考えてますか?

そうですね。今まで通りの発信を続けていきたいです。

ひとまずは辞めずに続けることが目標です。

先ほど言った通り、ターゲットや視聴者層のピントが合わなくなってきて、手が止まりそうになる時もあります。そんな時でも、仮説を立てて手を止めないようにする。自分なりの楽しみを見つけて、続けていきたいです。

ありがたい事に、私の動画を待ってくれて、いつもコメントして下さる人もいます。その人たちのためにも、引き続き視聴者さんのためになるコンテンツ作りを頑張りたいと思います。

YouTubeに限らずですが、人の役に立つ情報を発信して、その対価として感謝の言葉やお金がもらえる。こんな幸せで贅沢な事は無いですし、ライフワークとして最適だと思っています。

情報発信を始めてから、素敵な出会いも増えて人生も楽しくなっているので、これからも誠実な発信を続けて、息の長い発信者になりたいです。

その結果として、登録者数が10万人を超えて、銀の盾を貰えたら嬉しいですね笑。

[文:隅田愛莉 / 編集:吉中智哉]

[撮影:梨本和成 / デザイン:舩越英資 ]

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