#5 自分の事をより知って成長するために置くべき環境と学生の内にやるべきこと

フランス留学、海外ボランティア、大学時代は活動的に過ごした光悠さん。

そんな光悠さんに、人生で覚醒した瞬間、成長するために身をおくべき環境、好きと得意のバランス、オススメの本などを伺いました!

【鈴木光悠 すずきこうゆう】

早稲田大学卒業後、日本IBMに入社。数年間働いたのちに独立。

現在は株式会社Sphiaの代表として、データ分析の会社を経営。主な業務内容は、医療系のデータ分析と組織の業務効率を上げるアプリケーション開発。

失敗のすゝめ

ーー大学時代に留学したり、海外ボランティアしたり、かなり活動的な印象を受けました。何か覚醒した瞬間が人生にありましたか?

小学生の時かもしれません。

小学校2年生の時に転校を経験しましたが、緊張もあってか、初日から女の子と喧嘩してしまいました。

この学校でやっていけるだろうか?と不安になり母に相談すると、

「前に出なさい。とにかく一歩前に出なさい。手を挙げなさい。」

そう言われました。

内心はめっちゃ嫌でしたが、その言葉を守り、卒業生を送る会の実行委員に立候補したりしました。

そこからだと思います。「緊張する…!!」と思いながらも、とにかく一歩前に出るのが癖になりました。

ーーお母様!すごく具体的な助言ですね!

そうですね笑

ただ、ひたすら本を読んで生きる意味とは?みたいなことを考えるタイプだったので、中高時代は完全に諦めて、別のやり方にしました。

バンドをやって言葉じゃない方法で人前に出るとか、そんな感じです。その時に自分ができる一番前のラインと、しっくりくる方法を模索しながらやってるイメージです。

前に出るってリスクなので、なかなかできないと思います。だから徐々に慣らす必要があります。

失敗するから経験(データ)が溜まる

許容できる範囲でたくさん失敗してきました。

なので失敗に対して「失敗してもダメージってこのぐらいなんだ」という経験が蓄積されて、チャレンジへの抵抗感がなくなっていきました。

AIもそうなんですけど、成功したデータ、失敗したデータ両方が必要です。両方を比べないと、どうやったら上手くいくか分からない。

成功のためにも早いうちに小さい失敗をたくさんしておくってのが、一つの戦い方としてあると思います。

自分を知るためにやるべきたった一つのこと

ーー自分が仕事を通して「成長」するにはどんな会社や環境に身を置いたらいいですか?

たくさん質問してもらえる環境に身を置くのが大事だと思います。

人から質問されることで、自分が何が分からないのか分かってきます。

例えば、いま「成長」という言葉を使いましたが、それが何を指すのか、自分でも分かってないことってよくあると思います。

「あなたにとって成長ってどんなイメージですか?」
「何ができるようになったら成長と呼べますか?」

こんな感じで、質問を通して自分のイメージに色々な方向から光を当てていく

すると、自分が本当に欲しいものがわかるし、そのためのアクションも見えてくると思います。

就活もそうですが、その後のキャリアで何を目指すのか知るためにも、色んな人に質問して貰えるのが良いと思います。

一つだけ注意したいのが、人から質問してもらうためにまずは自分から質問する。そうした質問のラリーを続けることで、自分がどんな人間なのか分かってくると思います。

好きと得意のバランス

ーー「君はこれが得意だからやったほうがいいよ」と言われたことに対して、気持ちが乗らなくてもチャンスだと思ってやった方がいいですか?

長期的に見て、好きなことと得意なことのバランスを取れるようにするのが大切だと思います。

バランスを取るやり方はいろいろあると思うんですけど、自分が妥協できるライン、やりたいこと、得意のバランスを取ることが大事です。

自分1人で大きなインパクトを出すのは難しいので、どこかのタイミングで「自分が好きでやりたいこと」を「みんながやりたいこと」にする必要があります。

そのためには、みんなにとって、社会にとっての意義を理解してもらう必要がある。

俺はこれが楽しいし好きだからどんどんやっていくぞ!を続けても、周りから「それはあなたがやりたいことでしょ?」と思われてしまう。

その時に得意なことがあると、他の人にも納得してもらいやすくなります。

大学生の内にやっておいた方がいいこと

ーー学生の内にやっていた方がいいことはありますか?

親友となるべくたくさん過ごすこと。

親友とはいいましたが、生身の人じゃなくて本の中の人でもいいし、なんなら家族でもいいです。

スキルは後からいくらでも身につけられます。最悪スキルがなくても、困った時に親友と助け合えるかもしれない。自分自身をよく分かっていれば、そもそもどんなスキルが合っているかより明確に分かります。

ーー「大学時代なにもしてない、自分ちょっとやりたいこととかわかんないっすわー」みたいな人に対してはどうアドバイスしますか?

人間誰しも好きなことや気になることがあると思うので、そのどの要素が好きか、そこから考えてのがいいと思います。

光悠さんの人生に影響を与えた3つのもの

ーー書籍や体験など、光悠さんの人生に影響を与えたものでオススメのものを教えてください!

書籍:サン=テグジュペリ「星の王子さま」

まず「星の王子様」が好きです。ちなみに今持っているハンカチも星の王子様です(笑)

星の王子さまは、すごくシンプルな様で、ものすごくい色々なメッセージがあります。

読むたびに「ここはこういうことなのか!」と気づきがあり、そのときの自分の感覚と照らし合わせるのがすごく面白いです。

書籍:エーリッヒ・フロム「愛するということ」

もう一つはエーリッヒ・フロムの「愛するということ」です。

人を愛するとはどういうことか?の話なんですが、フロム曰く「愛することはアート」。

つまり、人を愛することは学ぶことができると言ってる本です。

体験:フランス ル・ヴィガン (Le Vigan)

体験としては、フランス留学中の長期休暇で滞在した、ル・ヴィガンという南部の町です。

本当にド田舎で、パリから新幹線で4時間、そこから電車で4時間、さらにバスで8時間ぐらいかかります。めっちゃ山奥で、Wi-Fiもギリギリ通ってるぐらいのとこなんですけど、ここがすごく良かった。

ホームステイ中にヤギを引っ張って統率したり、ウサギの世話をしたり、イチゴの雑草を抜いたり。現地の人たちの生活の中で同じことをして、同じようなことで困る。

1回ヤギを大脱走させて、めちゃめちゃ顰蹙(ひんしゅく)を買いました笑

フランス語は完璧ではなかったけど、そういう大失敗も通して、一番たくさん話せて、一番仲良くなれました。

全然違う場所に行って、人里離れたところに行って、その人たちと全く同じ生活をする経験。それがすごく大きかった。これは学生時代にやっててよかった。

フランス留学を例に出しましたが、マレーシアでもフィリピンの時も、幸せを感じたのはそういう時です。

現地の人と同じことをして、同じような気持ちになる。そんな経験を多くの人にもオススメしたいです。

[文:ことね / 編集:吉中智哉]

[撮影:梨本和成 / デザイン:舩越英資 ]

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探究ゼミ編集部
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