#1 就活してわかった日本IBMの良いところと志望動機
世界的に知名度の高いITコンサル会社、日本IBM。新卒でIBMに入社し、後に会社を興して社長へ。
そこだけ聞くとゴリゴリのエリート街道に見えますが、実はそうでもない?!
大手コンサル会社から独立開業した光悠さん。今回からそのキャリアを深掘りします。
第1回目は就活〜独立までの話!就活の軸やOB訪問で得たこと、その後の日本IBMでのキャリアや退職した理由についてお聞きしました。
【鈴木光悠 すずきこうゆう】
早稲田大学卒業後、日本IBMに入社。数年間働いたのちに独立。
現在は株式会社Sphiaの代表として、データ分析の会社を経営。主な業務内容は、医療系のデータ分析と組織の業務効率を上げるアプリケーション開発。
目次
日本IBMに入社するまでの就活の思い出
ーー新卒で日本IBM入社されたとのことですが、就活の軸やIBM入社の経緯を教えてください。
私の就活の軸は、
- 頭を使う仕事がしたい
- 海外、特に途上国で活躍できたら尚良い
の2つで、当時はいろいろな企業を見ていました。
第一志望は別にあった
ーーいろいろな会社を受けて、IBMが一番良いなと思った?
どっちかというと、拾ってもらった感じです(笑)
最初に内定が出たのがIBMでした。
当時の第一志望は他の会社で、正直そこ以外行くつもりはありませんでした。
幸いにも最終面接まで選考が進み、内定者懇親会の予定まで聞かされていました。
これは内定確実だと思っていましたが、最後の最後で落とされてしまいました。
なんで落とされたんだ?って最初は戸惑いましたが、当時の僕の性格とその会社の社風が合わないと判断された結果だと思います。
人事の方がそれを考慮してくれたんでしょう。
印象的だったIBMのOB訪問
就職に関して思い出したのですが、当時、勉強だと思ってOB訪問にめちゃめちゃ行ってました。
多くの人は「ウチは給料はいいよ」とか「学生のうちに好きなことやってた方がいいよ」といった感じでした。
そんな中でIBMの人だけが「いやーあの仕事は面白かった!」って言ってたんです。
もしかしたら、その人と働きたいなと思ったのかもしれません。
そういった目を輝かせてる社会人の話を聞くのがコンセプトとのことなので、探究ゼミも非常に良い活動だと思います。
日本IBMの特徴はアメリカ合理主義と日本の長期人材育成
ーーIBMを知らない大学生に説明するとしたら、どんな会社だと伝えますか?
間違いなくめちゃくちゃいい会社です。
どこが良いかといえば、アメリカの合理主義と日本の長期人材育成の両方が入ってるところ。
これは皆さんに絶対に伝えたい点です。
IBMはITコンサルティングの会社
IBMは何の会社かといえば、ITコンサルティングをメインでやってる会社です。
IT領域の戦略を考えたり、データ分析をしたり、大きい会社向けのIT製品を導入したりしています。
ちゃんと育ててくれるけど放置してくれる
ーーIBMはご自身に合ってましたか?
めちゃくちゃ合ってました。IBMに就職できて本当に良かったと思っています。もちろんマッチングはあるので、私にとってはですが。
ちゃんと育てるけど、めちゃくちゃ放置してくれる。
そんな社風が最高でした。
IBMは小さい会社がいっぱい集まってる感じで、自分で部署異動をお願いすることもできました。
うまくいかないと「リリース」と言ってプロジェクトをクビになることも稀にありますが、合わないなと思ったら自分で所属先を変えることもできました。
私がIBMを辞めたワケ
ーー結局3年半で退職するわけですが、なぜ相性がよかった会社を辞めたんですか?
それは本当におっしゃる通り。
これは会社の善し悪しじゃなくて、その時のその人に合った会社の規模との相性ってのがあると思うんです。
どのぐらいの会社の規模が、その人に合うかどうか。
例えば、研究開発とビジネス開発の共同のプロジェクトに参画したことがありましたが、これがなかなかうまくいかなかった。
案件としては滞りなく終わりましたが、自分としてはまだまだたくさんやれることがあったのではないかと悔いが残りました。
自分に合った会社の規模
その時の自分にとっては、関わる組織の大きさがマッチしていなかったんだと思います。部門に与えられた一部分を担うのではなく、ビジネスにおける一連の流れを体感することで、本質を理解してみたい気持ちが強かったんです。
そんな訳で、独立することにしました。
IBMでは、本当に自由にさせてもらいました。
大企業で研修もしっかりしてて、アメリカみたいに頑張ったら次の昇進ができて、しかも部署によってはベンチャー並の自由度もある。
本当にめちゃめちゃおすすめの会社です。
IBMに入社したい大学生へのアドバイス
ーーIBM目指したい!って学生が目の前にいたら、どんなアドバイスをしますか?
今回はIBMの話になりますが、ここから先はIBMを自分の行きたい会社だと思って聞いてください。
偉そうに言える立場ではないですが、先ずは「なんでIBMがいいんですか?」って聞きます。
僕の話を聞いて入りたいと思ったとしても、それは僕の話です。
その人なりの理由があると思うので、それを軸に「なんでその会社なの?」って掘り下げていきます。
で、それをずっと考えていくと、その会社じゃなくてもいいかもってなる瞬間がある。
それが実は近づいている状態。
伝わってるか難しいですが、かなり確信があります。
その会社でなくても良いと思ったら近づいている
何かを目指したいって思ったときに、それをずっと考えていくと「自分は何でそれが好きなのか」という考えに至ります。
「自分と会社にこういう同じところがあるから」
「自分と会社がこういう理由でマッチしてるから」
など、どんどん掘り下がっていきます。
最初は直感や断片的な情報から得たフィーリングかもしれませんが、情報を集めながら自分の感覚と向き合うと、だんだんと条件が抽象化され、軸がより明確になっていきます。
なぜ?を掘り下げていく
例えば野球で甲子園(全国大会)を目指していると「本当に甲子園って目指す価値あるのか?」って多分どこかで考えると思います。
毎日こんなにきつい練習して、それまでして本当に目指す価値あるのかな?って。
そんな時に、なんで甲子園なんだっけ?と考え始める。
- モテたかったんだっけ?
- なんでモテたかったんだっけ?
- 野球でモテたかった訳でサッカーでモテたかったわけじゃない
- やっぱ野球が好き
- というか今のチーム好き
そんな風に考えていって、「このチーム最高じゃん」みたいに段々なってくる。
甲子園に行きたい気持ちを持ち続けると、さらにチームの力がどんどん上がっていきます。
否定の先にある肯定
そうすると、ふとした瞬間に「あれ甲子園に近づいてる?」みたいになることになる。
否定して否定して、でもやっぱり…!ってなった時にアイデンティティを自覚する。
就活で言えば、本命への気持ちを確認するために、いろんな会社を見てみるのもいい。
他の会社を見て「全然違うわ!」ってなって初めて、自分の動機を実感したり、納得感を持って志望動機を語れるようになると思います。
[文:ことね / 編集:吉中智哉]
[撮影:梨本和成 / デザイン:舩越英資 ]