#2 社長として採用する立場になって気がついた就活軸の作りかた

大企業である日本IBM。そこを退社し、独立したこうゆうさん。

大企業と中小企業の違いや特徴、独立後に始めた事業や気がついた諸々について伺いました。

就活生向けには、自分の軸の作り方や自己分析の方法についても語ってもらってます。ぜひご覧ください!

【鈴木光悠 すずきこうゆう】

早稲田大学卒業後、日本IBMに入社。数年間働いたのちに独立。

現在は株式会社Sphiaの代表として、データ分析の会社を経営。主な業務内容は、医療系のデータ分析と組織の業務効率を上げるアプリケーション開発。

大企業と中小企業の良さの違い

ーーIBM退社後起業したとのことですが、独立してみてどうでしたか?

最高としか言えない。今のところ本当に最高です。

内容的にもそのIBM時代にやっていたようなことの延長線上だし、規模感としても合っています。

とても充実した日々を送ることができています。

ーー大手企業とベンチャー企業の良さをそれぞれ教えてください。

「自分はこういう人間だからこっちを目指そう」みたいな感じで、進みたい方向やそれを目指す手段が具体的であれば小さい企業の方がいいと思います。

そうじゃなければ大きい企業の方がいい。大きい会社は安全だから、たくさん失敗することができます

私もいきなり独立していたら、今頃死んでると思います。

IBMにいたおかげで、かなり成長させてもらいました。おかげで1人でできるかも…?と思えるようになりました。

データ分析を社会に活かす

ーー現在、具体的にはどのようなお仕事をされているんですか?

経営してる会社では、主に2つ事業を展開しています。

1つは医療系のデータ分析、病院からもらったり自分達で集めたデータをAIで分析する事業です。どんな人が何が原因で病気になるか、みたいなことを分析して結果を報告します。

もう1つは、組織の業務効率を上げるアプリケーションの開発です。

ーー病気の原因を解明するってのは現実的に可能なんですか?

より大規模かつ詳細なデータを使うことで、近づくことができます。

例えば、同じ薬を飲んでも病気がよくなる人と良くならない人がいる。同じ症状でも亡くなってしまう人とそうじゃない人がいます。

そういうものを統計的に分析するためには、データをいろいろ集めて分析する必要があります。しかし、そういうデータはテキストで書かれてることも多いんです。

僕の会社では、テキストで書かれてるものは分析しづらいので、Excelのような綺麗な表形式に直すようなツールを提供しているイメージです。

仕事のやりがい

ーー今のお仕事のやりがいについて教えて下さい。

やりがいはとてもあります。

会社を作って最初の案件では自分がデータサイエンティスト兼エンジニアとして、ゴリゴリコーディングして、データの海に溺れて、とにかくできることを探していました。

これはモノづくり的にすごく面白かった。

職人からマネージャーへ

そこから、例えば企業に物を売っていこうといった、企画や経営寄りのことをやりました。やっているうちに「これはこれで面白いぞ」ってなってきました。

現場から経営、職人から社長みたいなシフトチェンジですが、感覚としてはもう1回就活してるみたいな感じです。

職人的に決まったことをやりながら、それにオリジナリティを出しつつ面白く新しいことをやっていく。

そういうのが溜まってくると、今度は言語化して人に伝えながら、次にどんなことができるか話し合いながら作っていく。 

仲間を増やしていくみたいな感じで、結構面白いです。

採用者視点で考える自分に合う仕事の見つけ方

ーー誰と仕事するかっていうところがポイントになってくると思うのですが、採用基準はどういった感じですか?

人柄もスキルも両方見ますが、人柄は最終的にスキルに現れると考えています。

なので、今の会社のフェーズだと話した瞬間にわかります。絶対この人だ!って直感で。

自分がどのぐらいどこが欠けてるか理解すると、そこを補ってくれる人の関係性も分かるので、そこでこの人だったらフィーリング合うのか分かってくると思います。

自分の軸を体の癖から知ろう

人の身体付きが違うように、それぞれ身体の特徴があります。めちゃめちゃあがり症で人と話すと手に汗をかいちゃうとか、単に冷え性とか。

人の身体って基本変えられないから、そこに逆らわないようにしかスキルって伸ばせないと思います。

人と話すのが超楽しい!みたいな人はコミュ力がどんどん上がってるだろうし、1人でコーディングしてるのが楽しい!って人はそっちに伸びると思う。

その方向を見つけるのが良いと思ってます。

ーー身体の性格を知ろうって感じでしょうか?

もっと分かりやすく言うと「何してるときが一番心地よいか」だと思います。

人と話してるときが楽しい、YouTube見てるときが一番楽しい、子供を抱っこしてるときが一番楽しい、歩いてるときが一番楽しい。

その延長に自分のスキルがあるはずです。

自己分析の方法と信頼関係の築き方

ーー自分の分析は昔からやってたんですか?

そうですね、小学校のときぐらいから考えていたかもしれません。

当時、死ぬのがめちゃめちゃ怖かったんで、色々考えてました。

たくさん失敗してたくさん話す

ーーかなり早熟ですね。ちなみに、自分を分析するコツはありますか?

自分の場合はとにかくたくさん失敗すること。失敗すると「なんで失敗したんだ...!」って考えざるを得なくなる。

あとは、一緒にいて居心地がいい人となるべく近くにいること。

そうすると自然と話したくなる。話すと頭で思ってることを言語化することができます。

他者との信頼関係の築き方

話を聞いてくれる人がいないって人は、まずは周りの人と信頼関係を築いてください。

信頼関係を築きたいと思ったら「自分が何をすればその人に貢献できるだろう?」って考えて実行してみてください。

それを気持ちよく受け取ってくれる相手だったら、相性も良いと思います。

そうやって関係性が深まって、自分のことを大事にして、話も聞いてくれる人ができると思います。

[文:ことね / 編集:吉中智哉]

[撮影:梨本和成 / デザイン:舩越英資 ]

投稿者プロフィール

探究ゼミ編集部
探究ゼミ編集部
探究ゼミでは、これから社会に出る人、出て間もない人向けにキャリアに関する情報を発信しております。仕事を通して人や社会と関わることを応援するメディアです。

一緒に活動するメンバー、取材を受けていただける方も随時募集しております。お問合せページよりご連絡下さい。
この記事をシェア