#2 みんなが知らない、テレビ局で働く”本当”の魅力

テレビ局はテレビ番組を作っているところ。

私もそんなふうに思っていました。

しかし、局員の中野さん曰く、そうではない。

一体どういうことなんでしょうか?

さらに、そこから見えてくる「テレビ局で働く魅力」についてお伺いしました。

【中野さん】都内私立大学卒業後、新卒で在局キー局に入社。現在はバラエティ班でディレクターを務める。

ドラマ制作の魅力

-前回はバラエティ制作の面白さについて教えていただきましたが、ドラマ制作の魅力も聞いたことがあれば教えてください。

ドラマ班の同期や先輩から聞いた話ですが、一番のやりがいは、一流俳優のお芝居をずっと見られることです。

舞台でお芝居を見る時は、良い席だと1万円ぐらいかかります。それがドラマ制作に関わると、無料で目の前で一流俳優の演技を見ることができます。

毎日が舞台の最前席。

文字通り、手の届く距離にいるわけです。

女優さんの泣き演技を見て、思わずもらい泣きしちゃったこともあるらしいです。

憧れの女優さん、大好きだった俳優さんと毎日飽きるほどコミュニケーションを取れる。人によってはすごく幸せだと思います。

ただ、そういったご褒美は1割で、残りの9割は大変で辛いそうです。笑

就活生に知ってほしいテレビ局の本当の魅力

ーここまで制作現場での面白さについてお伺いしましたが、中野さんの考えるテレビ局で働く魅力ってなんですか?

テレビ局って、実はマルチメディアの会社なんです。

テレビ局はテレビ番組を作ってるとイメージだと思いますが、実はそれだけじゃありません。イベント、映画、漫画、舞台、不動産、お店など、ありとあらゆることをやっています。

例えば、メーカーに入ったら、営業や広報など部署の違いはあれど、ずっと自社商品と向き合うことになると思います。

一方テレビ局は、向き合う対象自体が変わります。

昨日までドラマのこと考えてた人が、異動で毎日スポーツのことを考えるようになる。仕事も生活も価値観も全部がらりと変わって、まるで転職したようになるんです。

自分は何が向いてるか、何が好きか分からない人にとって、テレビ局はいい就職先だと思います。一つのことがダメでも、転職よりは気軽に仕事を変えられる。

それから、テレビ局というか大きい企業に入るメリットですが、一つの部署で人間関係が駄目になっても、フロアが違えば会う人も変わる。

その意味では気が楽です。

今はバラエティにいますが、万が一バラエティに飽きたら、ドラマやスポーツにいける可能性もある。そう考えると、すごく良い会社だと思います。

メイン事業だけで企業を判断するな

だから皆さんも就活するときに、その会社のメイン事業だけ考えない方が良いです。

例えば、鉄道会社は鉄道事業だけやってるわけじゃありません。

路線沿いの街の開発、デベロッパーもしてる。ホテルや旅行業もしてる。電車、旅行、街の開発をトータルでプロデュースしています。

今の時代、会社が一つの事だけやってると、それが上手くいかなくなった時に全部ダメになる

だから、ちゃんとした大企業はいろんなことを多岐に渡ってやっています

ここで差が出る企業研究のコツ!

でもこれ、実はホームページに全部書いてあります。

各企業の事業について紹介されているのが企業 IR(Investor Relations:インベスター・リレーションズ)ページ。IRを見ると、会社がどんな事業をしてるかよくわかります。

IRってのは、要するに企業から投資家へのエントリーシート。

「うちの企業はこんなこと頑張ってる。だから投資してください!」とアピールしてる。だから、良い企業ほど分かりやすく書いてあります。

東急電鉄のIRページ(https://ir.tokyu.co.jp/ja/ir.html)

目指す会社が決まったら、IR情報含めてホームページを読み込む。

メイン事業以外の情報はもちろん、会社の歴史や、どんな人材が欲しいかとか、答えは全部書いてあります。

自主的に動いて環境を作ろう

大学生は、自発的に動かないと、何も起こらない。誰もレールをを敷いてくれないから、自分で探すしかありません。

先輩や同級生がやってると「そんな方法があるんだ!」って気付くんだけど、環境にまかせてたら一生気が付かないかもしれません。

ここは、本当に差が出ます。だから、自分が目指す場所へ行くための環境を作る、これに全力を注いで下さい。

僕の場合、テレビ局でアルバイトをしてたのがよかった。

テレビが好きな人が周りにいて、就活の情報が勝手に入ってくる。その意味で、目指す業界でのインターンはオススメです。

自分がいきたい業界や会社があるなら、そこに関わるアルバイト、興味ある人たちが集まる環境、そんな場所に自分から飛び込んでいきましょう。

仲間や作ったり、自分の意識を高める環境を作らないと、第一志望は難しいです。

ー就活について具体的に教えていただきありがとうございます!実際にテレビ局を目指すにあたって、どんな資質が必要だと思いますか?

入社するにあたっては、プレゼンや自己演出の能力が高いと有利です。

だけど、テレビ局で働く上で一番大事なことは…。

次回:#3 アナウンサーはキー局だけでは無い!狭き門に挑戦したい学生へ、テレビ局員が教える就活戦略とは?

中野さんの記事まとめはこちら↓

匿名だからここまで言えた!現役キー局社員が教えるテレビの内側と就活ノウハウまとめ

目次1 第1回:小さい頃からの夢を叶えてテレビ局に入社。制作から見えてきた「バラエティ番組の魅力」2 第2回:みんなが知らない、テレビ局で働く”本当”の魅力 3 第3…

[文:ことね / 編集:吉中智哉]

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