何者でもなかった私がライターとして生計を立てれるようになった理由 #2
日々、目にするWeb記事。雑誌のweb版、新聞のWeb版、エンタメまとめ記事、そして、それらをまとめるyahooのキュレーションサイト。
そこには作り手としてのライターがおり、一人でも多くの人に読んでもらおうと知恵を絞っています。
しかし、職業ライター、モノを書いて食べていけるのはほんの一握り。
どうすればライターになれるのか?生業にするにはどうすればいいのか?
フリーランスのライターとして業を続けてきたプロに話を聞いてみました。
*この記事は"#1就職先が決まっていた私が、卒業旅行でハワイに行ったら内定蹴ってフリーランサーを目指すことになった話"の続きです。 |
【コニーさん】
デジタルノマド。都内私立大学卒業後、新卒就職の内定を辞退してフリーランサーへ。現在は、ライターやECサイトのディレクターとして生計を立てつつ、時間や場所にとらわれない働き方を実践している。
目次
合わなかった受付の仕事
ーインフォメーション、いわゆる受付の仕事をやってみてどうでしたか?
接客の仕事もインフォメーションの仕事も、きっと楽しいだろうと思って始めたんですけれど、実際は全てが私の想像していたものとは真逆でした。
今までの接客は、販売という形で、基本的に自分が主導権を握ってる。「お客様に商品を買っていただく」というゴールに向かえば良かった。
一方、受付の仕事はどんな質問が飛んでくるかわからない。館内のことを聞きたいかもしれないし、周辺の街について聞きたいかもしれない。
どんな質問が来るかわからないので、正直怖かったです。
ストレスが溜まり辞職へ
受付の仕事は、「求められたことだけに答える」のが仕事。会話も楽しみたい私としては、フラストレーションがすごく溜まってしまいました。
それに加えて、女性だけのコミュニティの微妙な人間関係などもあり。その状況が何ヶ月も続いた時に、溜まってたものが体調の変化として出てしまって。
自分にはこの仕事は向いてないなと思い、辞めることにしました。
クラウドソーシングで人生が変わり始める
お金は稼がなきゃいけないし、でもちょっと疲れちゃった。何か家でできることがあるかなと思って、登録をしたのがとあるクラウドソーシング*のWebサイトでした。
当時、たまたまクラウドソーシングの広告を見かけたのがキッカケでした。
そこから私の人生がちょっと変わりました。
編集注:クラウドソーシング。インターネット上で不特定多数に業務を発注する業務形態。仕事を発注したい企業や個人が、インターネットを通じて仕事を依頼したりアイディアやデザインを募集したりするWEBサービスの名称。 |
何者でもない自分をどう見せるか
そのWebサイトに登録をして、いざ仕事を探すときに、自分の見せ方について少し考えました。
Web デザインやプログラミングができるわけでもない、特に秀でたものはないけど、自分にできることってなんだろう?って考えてみたんです。
私は文学部哲学科っていう、少しニッチな学科を卒業しました。
学生時代に、まとめサイトで執筆をしてた時期もあった。書くことにはすごく慣れてるから、書く仕事ならできるかもしれない。
そう思い、文学部卒の経歴とまとめサイトの経験だけを引っさげて、ライター業に応募してみたんです。
そしたら、一発目で仕事がいただけちゃって!
評価が貯まることで他からの仕事も来やすくなるので、そこからはそのWebサイト一つに絞って、ひたすら実績を積み続けていきました。
実績を貯めてプロのライターへ
ー最初から仕事が来るのはすごいですね!いちばん最初の仕事って覚えてますか?
一本1000円で1500字くらいの“恋愛あるある”に関する記事の執筆でした。
「こういう特徴の女性は彼氏が出来づらいから気をつけてね!」みたいな、恋愛にまつわるハウツー。最初は、そんな感じだった気がします。
書くこと自体は学生の頃にずっとやり続けてたことだから、苦ではないし、呼吸するようにできる。
けれど、私がやりたいのは恋愛のハウツー記事を書くことではありませんでした。
半年で来たプロ案件
そんな感じで、最初はよくあるライフスタイルメディアで、一本1000〜1500円ぐらいの記事をひたすら書き続けました。
書けば書くほど、自分の実績がシステムに積まれていくので、そこから徐々に単価も上がっていきました。
2〜3ヶ月続けたあたりで、数万円の案件も入ってくるようになりました。
そんな感じで、半年ぐらい続けていたら、プロフェッショナル向けの案件紹介が来るようになりました。そこで一気に、仕事の単価が上がりました。
どんな小さなことでも、続けてみるものだなと思いました。
初めてのオフィスワーク
実際に紹介していただいたのが、医療系の Webメディア。お医者さんが記事を監修する、比較的お堅いの仕事です。
その企業は、高層ビルの二十何階にあったのですが、社会人になってオフィスに常駐して働くのは初めての経験でした。
それまでは自宅やカフェが職場で、ある意味ずっと孤独だったので、すごく楽しかったです。
順調なハズがまさかの事件
この時点での稼働日数は週3〜4日でしたが、週5日で働いてたインフォメーションの時よりも、お給料はガンと上がっていました。
ライター業を始めて、紆余曲折ありながらもここまで順調にきていました。
そんな時に、業界全体を揺るがし、私もライターをやめるキッカケとなる大きな事件が起こります...。
次回:#3 業界を巻き込む大事件でライター業廃業。次の挑戦と再び筆を持ったワケ
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[文:ことね / 編集:吉中智哉]