業界を巻き込む大事件でライター業廃業。次の挑戦と再び筆を持ったワケ #3

人生思い通りにならないことは多々起こります。

起こらないように頑張ることも大事ですが、もしかしたら「起こってしまった後どうするか」の方が大事なのかもしれません。

平時にこそ嵐に備えよ。失敗してからの生き方が、人生を決める気がしました。

*この記事は"#2 何者でもなかった私がライターとして生計を立てれるようになった理由"の続きです。

【コニーさん】

デジタルノマド。都内私立大学卒業後、新卒就職の内定を辞退してフリーランサーへ。現在は、ライターやECサイトのディレクターとして生計を立てつつ、時間や場所にとらわれない働き方を実践している。

業界騒然の大事件

この時点での稼働日数は週3〜4日でしたが、週5日で働いてたインフォメーションの時よりも、お給料はガンと上がっていました。

ライター業を始めて、紆余曲折ありながらもここまで順調にきていました。

そんな時に、業界全体を揺るがし、私もライターを辞めるキッカケとなる大きな事件が起こります。

それが「ウェルク騒動」です。

*編集注:ウェルク騒動。医療情報サイト「WELQ」がコンテンツの品質や正確性を問われてサイトの公開取りやめにいたった事件。運営会社がDeNAであったこともあり、社会的に大きな事件になった。

ウェルク騒動で筆を折る

ウェルク騒動で、医療系メディア全体への風当たりが強くなりました。

私の関わったサイトも運営自体は続きましたが、記事の大部分が消されてしまいました。

削除ボタン一つで自分が積み重ねてきたものがこの世から消えてしまうという儚さ、それに心底疲れてしまいました。

そこで一度、ライター業から離れようと決意しました。

ーそのあとは何をされてたんですか?

その後、ナチュラルコスメを扱う海外ブランドで美容部員として1年弱勤めました。

文章を書くことも嫌いじゃないけれど、学生の頃からずっと接客や何か人に喜んでもらうことが好きだから、何らかの形で続けたかった。

ーやってみてどうでしたか?

めちゃくちゃ楽しかったです。

久々に人と対等に会話ができて、自分が心からおすすめしたものが相手に喜んでもらえる。ときどき、自分の出勤日に合わせてお客さまが買いに来てくださることもあって。

日本に上陸して間もない、ちょっとマイナーなブランドでしたが、その分「あなたのおかげでこのブランドを知れて良かった」なんて言われて、すごく嬉しかったことを覚えています。

伝統工芸とECサイト運営

ーそれが現在のECサイトのディレクションに繋がっていく?

そうですね。このあと伝統工芸や和食器などを扱う会社で働き始めます。

美容部員として働き始めた同時期に、趣味でハンドメイドのオンラインショップをオープンさせました。個人でお店を構えたことで、企業レベルではどんなことをしているかを知りたくなりました。

ネットで売った時に、ものはどういう流れで売れていくんだろう、売る側がどういった仕掛けをしているんだろう。企業レベルで見たかったんです。

詐欺みたいな求人広告

ー加わってみてどうでしたか?

求人広告を見た時は「先輩が優しく一から教えます」と書かれていたんですが、実際は「ひょっとして、詐欺じゃない?」というぐらい全てが真逆だったんです。笑

実際に入ってみたら、前任者の方が「2日後に私は辞めるので、2日間で全部引き継ぎます。だから、この2日間で覚えてください」と言われちゃって。

同じ時期に入った、アルバイトの女の子と私の2人で、新人2人がなぜかもう、手探りでECサイトの運営をすることになりました。

先輩からいろはを学ぶつもりだったのに、ほぼ独学。

ググったり、セミナーに行ったり、なんとか間に合わせていました。どうしてもわからないことは、社長のご機嫌を伺いつつ聞いたりして、本当に全てが手探りでした。

大事なのは手を動かすこと

ー本やセミナーなど、ECサイト運営のノウハウを学ぶ上で一番役に立ったものはなんですか?

どの媒体も、それぞれ学びはあったんですけれど、何より大事なのは、失敗してもいいからとりあえず手を動かすこと。考えが熟す時を待ってる場合じゃない

そんな時は来ないと思うんですよ、 人生。

だから動きながら考えるって言うのが、何より大事なことだし、私自身にとってもすごく収穫が大きかったです。

ライター業再開

ーその辺りでライター業も再開したとのことですが、どんな心境だったんですか?

小さな会社で、気がついたら1人で何役もこなすようになっていて。

ある程度マルチタスクもできるようにはなっていたんですが、逆に浅く広くなりすぎちゃってる。だから、何かまた深みを持たせたいなって思い始めました。

ライターの仕事も一旦お休みしてしまったけど、“傷”もだいぶ癒えてきたし、もう一度副業みたいな形でやってみようかなって思ったんです。

大企業からのまさかのオファー

登録したままになっていたクラウドソーシングの Webサイトにログインをしたら、ログイン情報が残ってたのか、すぐに複数のオファーが来ました。

その中の一つが、東証1部(現:東証プライム)の有名な大企業だったんです!

ーそれはすごいですね!!

クラウドソーシングは、職務経歴書みたいなものを登録しておくんですが、それが数年間更新されていなかったので、久しぶりに更新したんです。

そしたら、その1〜2週間後にオファーが来て、すぐに担当者の方と面談することになりました。

ようやく報われたこれまでの経験

収入が右肩上がりとは言っていますけれど、「私、フリーでやってます」と、自信を持って言えるようになったのは、ここ数年ぐらい。

ようやく報われたというか、自分の経歴を「これで良かったんだ」と思えるようになりました。

食えるライターと食えないライターの違い

ー世の中に生計を立てられていないフリーランサーの方もいらっしゃいますが、その違いはなんだと思いますか?

仕事のスキルや能力などは、一律に測ることがむずかしくて。例えばライターだと、メディアによっては堅い文章が好まれたり、くだけた方がウケたりする場合もある。そこは、若干芸術に近い部分があると思います。

それ以外でライターの良し悪しを測ると、◯◯が結局大事だということを、ここ数年ですごく痛感しています...。

次回:#4 一番大事なのは◯◯!ライバルたちと差をつけるフリーランサー必須のスキル

コニーさんの記事まとめはこちら▼

好きな場所で自由に働く!デジタルノマド・コニーさんのキャリア論まとめ

目次1 第1回:就職先が決まっていた私が、卒業旅行でハワイに行ったら内定蹴ってフリーランサーを目指すことになった話2 第2回:何者でもなかった私がライターとして生計…

[文:ことね / 編集:吉中智哉]

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