#3 アナウンサーはキー局だけでは無い!狭き門に挑戦したい学生へ、テレビ局員が教える就活戦略とは?

テレビを彩るアナウンサー。

抜群の人気と知名度を誇り、芸能人のように一挙手一投足が注目される。

そんなアナウンサーと同僚のテレビ局員。

彼らからみたアナウンサーの真の姿を伺いました!

【中野さん】都内私立大学卒業後、新卒で在局キー局に入社。現在はバラエティ班でディレクターを務める。

テレビ局員に必要なのは結局人柄

ーテレビ業界に向いている人はどんな人ですか?

テレビ業界に向いてる人は、テレビが好きな人です。逆にテレビが好きじゃないと、入社後しんどいです。

めちゃめちゃ能力高くて受かっちゃったけど、テレビがそんなに好きじゃなくて辞めちゃう人は結構います。

ーテレビ局に入る人はどういう資質が必要だと思いますか?

入社するにあたって、プレゼンや自己演出の能力が高いと有利です。ですが、テレビ局で働く上で一番大事なことは人柄です。

テレビ業界は長時間チームで働くので、人柄は本当に大事。

人当たりが悪い、協調性がない、部下の気持ちが分からない。そうなると能力が高くても厳しいです。

結局出世していくのは、根が良い人格者。

能力や才能で勝負できそうな人は、フリーの作家さんや映画監督の方が力を発揮できると思います。

会社員を選んだ以上、人柄が大事になってきます。

局員からみたテレビ局のアナウンサー

ーいわゆる局アナもテレビ局の社員ですが、かなり特殊な職種だと思います。同じ社員としてアナウンサーってどう見えてますか?

あくまで個人の意見ですが、キー局のアナウンサーは頭脳と容姿と人格すべてを兼ね備えた奇跡の塊みたいな方々です。

読んでいるあなたがアナウンサーになりたいか分かりませんが、アナウンサー志望の学生からよく相談をもらうので、思っていることを少しお話させてもらいます。

キー局のアナウンサーだけを目指すな

多くの女性が一度はアナウンサーを夢見るのと思います。主語が大きいですが、就活まではいかなくても、想像はしたり憧れたりはあるかと思います。

でも、キー局のアナウンサーは目指さない方がいい

女優・俳優のような人、ミスター・ミスコン1位、その中でも頭と運が良いほんの一握りの人しかなれません。アナウンサーは茨の道で、想像以上にしんどいです。

「いやいやお前無理だよ」って若者の夢を大人が否定するのは良くないですが、キー局のアナウンサーを目指すのは本当に大変。

本気で目指すなら、マジで覚悟がいります。

見た目に自信があるからアナウンサー目指しますはNG

ここまで言って、それを承知の上で突き進む人は応援します。

「私は可愛くて頭もいいからアナウンサーになれる」そんな生半可な覚悟で挑むのは、本当に危険です。

それ以外に、自分の中に明確な目標があるなら、頑張る価値があります

ーそれでも覚悟して目指したい!って学生にはどんなアドバイスをしますか?

アナウンサーというと、民放キー局のアナウンサーが目立ちますが、実は全国にたくさん存在します

各地域のテレビ局にもそれぞれアナウンサーがいますし、最近ではネットテレビ局にもアナウンサーがいます。

もちろん地域やネットのアナウンサーも狭き門には変わりありませんが、全国に数多くある為、キー局専願より受けられる数は遥かに大きいです。

アナウンサーといえばキー局アナが目立ちますが、視野を広げて考えてみましょう。

地方アナとキー局アナの仕事の違い

まず、地方アナウンサーとキー局アナウンサーの違い、仕事の特徴を説明します。

わかりやすくするために、やや盛ってることはご了承ください。

アナウンサーは、キー局、準キー局、それ以外の地方局3つに大きく分けることができます。

キー局のアナウンサーは、ほぼタレントさん。一方、地方のアナウンサーは記者兼アナウンサーみたいな感じです。

地方の局アナは自分で VTR 編集したり、原稿を書いたりもしています。

同じアナウンサーですが、やってることや、色が少し違います。

内定は一部の学生に集まる

就活をやればわかりますが、優秀で魅力的な学生はガンガン内定を取っていきます。結果、一人が数社の内定を持ちます。

これはアナウンサーも同じで、特定の学生が複数の地方局内定を取ったり、地元と準キー局の内定を取ったりします。

これはよくある話で、どっちを選ぶ?みたいなのが一部の学生ではあるあるの悩みになっています。

アナウンサーを目指すならこのレベルを目標にしたいですが、一方で、この現状を逆手にとって戦略にすることもできます。

テレビ局の目線で考える就活戦略

優秀なアナウンサーを採用しました。その学生は優秀そうなので複数のテレビ局から内定が出そうです。

そういう状況になったときに、テレビ局は何を恐れるのか?

そう、内定辞退です。

アナウンサーに限らず他の企業もそうですが、採用には莫大なコストがかかります。そうなると、一番怖いのが内定辞退。是が非でも起こしちゃいけない。

だから、受けたテレビ局の面接官に「キー局や準キーの内定が出たら、どうせそっち行くでしょ」って思わせちゃいけない

最後に差が出るのが熱意

例えば、選考が進んでラスト数名になりました。そこで残ったのが、地元愛がめちゃめちゃあるけど1番じゃない学生と、地元愛はなさそうなんだけど魅力的で他のテレビ局でも内定でそうな学生。

さて、どっちを採用するか。

僕が人事部なら、地元愛がある方を選びます。

内定が複数あるのは決してマイナスじゃなくて、むしろプラス。でも、辞退するかもと思うと内定は出しにくい。

例に出した後者の人も、仮に地元愛をアピールできていれば、内定は出たと思います。

以上がテレビ局側の視点です。

これらを踏まえ、こんどは就活生目線でもう少しツッコんだ就活ノウハウの話をしてみましょう!

次回:#4 あの人なんでテレビに出続けられるんだろう。視聴者が気がつかない重宝されるアナウンサーの特殊スキルとは?

中野さんの記事まとめはこちら↓

匿名だからここまで言えた!現役キー局社員が教えるテレビの内側と就活ノウハウまとめ

目次1 第1回:小さい頃からの夢を叶えてテレビ局に入社。制作から見えてきた「バラエティ番組の魅力」2 第2回:みんなが知らない、テレビ局で働く”本当”の魅力 3 第3…

[文:ことね / 編集:吉中智哉]

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