#2 実は改革に積極的?!女性記者が語る朝日新聞の魅力:仕事と子育てキャリア選択

大手マスコミといえば、何も知らない立場からいえば、保守的で旧態依然とした印象があります。(大変失礼な話ですが🙇‍♂️)

しかし!そんなイメージとは裏腹に、朝日新聞は新しい事業だけでなく、様々な改革に積極的に挑戦しているとのこと。

第2回は、朝日新聞で働く女性記者の入社後の仕事ややりがい、そして仕事と子育ての両立について詳しく話を伺いました。

【河原さん】

朝日新聞記者・withnews編集部記者

立教大学社会学部卒業後、2010年に朝日新聞に入社。withnews編集部にて、記者として活躍。2児の母であり、次男は超低出生体重児という経験も持つ。障害・医療的ケア児、付き添い入院、男性育休など、多岐にわたるテーマに関心を寄せている。

就活と入社後のギャップ

ーー入社前後で感じたギャップはありましたか?

入社する前は、配属後に取材方法や書き方、コツなどを一から教えてくれるのかなという、甘い考えがありました。

実際は最初の1か月研修で基本的な記事の書き方を習った後は、自力で勉強し、慣れていかなければいけません

当時、配属は各県1人いるかいないかという具合で、今はさらに減っています。頼れる先輩はいたのですが、今思えば「忙しそうだな」「こんなこと聞いてもいいのかな」と遠慮していた気がします。

分からないことは積極的に聞く姿勢が大切です。

苦手だった警察取材

ーー今までで一番苦労したのはどんな仕事でしたか?

一番苦手だったのは警察取材です。「夜討ち朝駆け」という言葉がありますが、夜や朝に取材をします。

私の場合、朝4時から車で約1時間かけて警察幹部の自宅前に行って、その人が出てきたら駅までの10分一緒に歩きながら話を聞くなどしていました。

取材する側の私たちも事前の勉強は欠かせません。入社後に刑法や民法を学び、取材に行っていました。

記者としての仕事のやりがい

ーー記者としてのやりがいは何ですか?

取材相手の方に記事を喜んでもらえたり、多くの方が読んでくださったり、反響があるとうれしいです。

Webの記事の場合、記事の閲覧数など読まれ方がダイレクトに分かります。

新人記者の裁量

ーー新人時代、取材対象の裁量はどのくらいありますか?

地方の総局では基本的に担当が割り振られますが、何を取材するかは記者個人に委ねられています

私の場合、愛媛で警察と高校野球を1年担当し、埼玉でも1年警察の担当をやりました。

その時々の担当の中で自分の興味がある、楽しめそうなものや読んでよかったなと読者に思ってもらえるような記事を書くように心がけていました。

自身の担当の中でどんな記事を出せるか、裁量の度合いは自分次第です。

朝日新聞の強みと魅力

ーー朝日新聞の強みや魅力を教えてください。

探究ゼミのテレビ局の方のインタビューでも書かれていましたが、社内にいろんな部署があるのは魅力の一つです。

新聞社は紙の新聞のイメージが強いかもしれませんが、様々なチャレンジをしています

朝日新聞は現在、ポッドキャストやYouTube等、新聞に限らず、いろんな発信を行っていますし、文章校正AI「Typoless」の開発などもしています。

ポッドキャストは新聞社では早い段階から参入したので、新しいことやおもしろいことに挑戦できる社風だと思います。

新聞社を目指す人は、「世の中に伝えたいことがある」「世の中をよくしたい」という強い想いに加え、「好奇心」や「チャレンジ精神」があるといいと思います。

入社した後も、明確な目的がある方が強いです。

大企業だからこその法令順守意識の高さ

朝日新聞では、社内の風通しを良くするような取り組みを積極的に行っています。また、ジェンダー平等の実現に向けても頑張っています。

私の世代よりも、若い世代の方が女性は増えていますし、役員や管理職における女性比率の向上にも努めています。

朝日新聞社ジェンダー平等宣言(https://www.asahi.com/corporate/csr/11215225/)より

「記者」だけじゃない、新聞社の仕事

ーー人事異動や地方への異動の希望は自分から出せるんのでしょうか?

希望は出せます。朝日新聞には色々な事業や部署があり、未経験の部署への異動もあります。

編集部門だけでなく、広告を担当する営業部門や新聞の配達網を管轄する販売部門、朝日新聞のデジタル版を担当する部署や広報の部署もあります。

異動は、社内公募で自ら希望の部署にエントリーすることも可能です。

入社前は記者職のことしか考えていませんでしたが、働く中でほかの職種の役割や重要性を実感しました

社内転職を経て気づいた自分の適性

社内転職という意味でいうと、最初は新聞記者、次は編集者で、今はWebを担当しています。

編集者の仕事を通して、新聞そのものやニュースの価値について俯瞰して見ることができるようになりました。

編集者はその日の新聞のメニューや扱いの決定に携わります。

もちろん最終的には上司が決めるのですが、時には編集者が記事の入れ替えを提案することもあります。そういった業務や交渉をする中で「俯瞰して見る」という経験は積めたと思います。

今担当しているWebでは、1人で取材・執筆からページ作成までやっているので、パッケージとして全てに関わっている感じです。

私自身、苦しい時期もありましたが、社内にたくさんの選択肢があることで救われた部分があります。

女性記者のキャリアと育児

ーー記者の方は非常に多忙な印象ですが、仕事と私生活のバランスはどうですか?

現在、ネットメディア「withnews(ウィズニュース)」を担当していますが、今の部署は子育てをしながら柔軟な働き方ができています。

基本的には朝から夕方までフルタイムで働き、土日祝日が休みです。

日によって夫と分担しながら朝5歳と3歳の子どもを保育園に送り、夕方迎えに行きます。その日終わらせたい業務が残っていた場合は、夜子どもが寝た後に作業することもあります。

休日に取材をすることはありますが、その場合は平日に代休を取ります。

家庭と仕事の両立

ーー転勤と子育てや出産が重なった時はどうするのですか?

 子どもが小さいうちは転勤がないように配慮してもらえます。育児だけでなく、介護などそれぞれの家庭の事情で希望を出せます。

いま私は子どもが小さいので転勤なく働いている立場ですが、今後はどうなるか分かりません。全国転勤がある会社なので、その時々で自身の働き方を考えていかなければならないと思います。

もちろん希望通りにいかない部分もあるかもしれませんが、社員ひとりひとりに合った働き方が推奨されています。

男性社員の育休取得

最近男性の育休が注目されていますが、記者も育休を取得する人が増えてきました。数カ月育休を取る人もいます。

私の夫は広告の部署にいるのですが、約1年育休を取りました。会社としても育休を推奨していて、周りの理解も得られる環境です。

女子大生へのアドバイス

ーー女性のキャリアに学生へアドバイスがあればお願いします。

学生時代から自分のキャリアについてなんとなくでも考えておくと良いと思います。

その通りに行かないことがほとんどだとしても、やりたいことやなりたい自分を描いていると、自然とその目標や考えに向かって行動がつながることもあります。

女性の場合、結婚・出産とキャリアはまだまだ両立が難しい現実がありますが、少しでも働きやすくなるように、いま両立を模索している私たちが声を上げて変えていかなければいけません。

[ 文:川上友香梨 / 編集:吉中智哉]

[撮影:梨本和成]

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