【第4回】日本発のガチャ®を世界の文化へ。タカラトミーアーツが描く次の一手と、就活生に伝えたい魅力と社風
日本独自の文化として発展してきたガチャ®は今、海を越え、世界中の人々を魅了しようとしています。しかし、そこにはコイン文化の違いやライフスタイルの変化など、数々の高い壁が立ちはだかっていました。
連載の最終回となる第4回では、タカラトミーアーツが挑む海外展開と進化し続けるガチャ®の未来を深掘りします。
さらに後半では、現場で活躍する田邊さん・中村さん・西北さんに、自身のキャリアの原点や、これから社会へ羽ばたく若い世代への想いを伺いました。
「変で、可愛くて、面白いものを形にしたい」
その純粋な情熱がいかにしてビジネスへと繋がり、人々の間に笑顔のコミュニケーションを生み出しているのか。これから「自分らしく働きたい」と願うすべての人へ贈る、希望に満ちたラストインタビューです!
\お話を伺った方/
田邊愛海さん:ガチャ・キャンディ事業部 ガチャ企画部企画1課 主任
中村佑子さん:BP事業部 事業企画部広報宣伝課 課長
西北洋子さん:BP事業部 事業企画部広報宣伝課 上級主任
目次
ガチャの楽しさを海外へ
ーー海外展開における課題と可能性について教えてください。
現在、北米にも店舗をオープンし、海外展開を進めています。現地でもアニメやキャラクターの人気が高く、ガチャには十分な可能性があると感じています。
一方で、コインを使う文化があまりない国では、「コインを入れて回す」という仕組みが根づきにくいという課題があります。そのため、現地ではお金で専用メダルを購入し、そのメダルを使って回してもらうなど、文化の違いに合わせた工夫を考えています。
ガチャマシンは日本独自の文化ですが、「回して楽しい」という体験のおもしろさは世界共通です。その魅力をしっかり伝えられるように、全社一丸となって海外展開を推進しています。

これから挑戦したい体験や商品
ーー今後の挑戦として、どんな新しい体験や商品を構想していますか?
現在、ガチャの市場には非常に多くの商品が出ているので、従来通りの発想では埋もれてしまいます。そのため、今後は新しいガチャの方向性や使い方の提案を模索しています。
具体的には、フィギュアの仕様を工夫してより魅力的にしたり、マスコットの金具を変更したり、身に着け方を変えてみたりなど、、商品の使い方や身近な活かし方を考えていきたいです。
例えば、以前他社から発売された「充電ケーブルに着けるフィギュア」のように、生活の中に自然に取り入れられる商品は素晴らしいと思います。私たちも、そうした小さなフィギュアや小物で新しい生活スタイルを提案できるガチャを目指しています。
また、海外展開の動向も踏まえて、日本国内だけでなく、海外でも受け入れられるデザインやキャラクターにも挑戦していきたいと考えています。
私がタカラトミーアーツに入社した理由
ーー田邊さんはどのようにしてタカラトミーアーツに入社されたのですか?
私は美術大学に通っていました。もともとキャラクターやアニメが好きで、そうした分野に関わりたいと思っていました。
物作りが好きで、小物や立体作品などを作るのが得意だったので、「おもちゃ」や「雑貨」を作る仕事ができたら良いなと思って就職先を探しました。
当時、ガチャが少しブームになり始めた時期で、「役に立つ・立たない」の判断ではなく「ヘンでかわいくて面白い」の判断軸で商品を作っても良いんだ!という点でガチャ業界に興味を持ちました。
もちろん実際に入社したらそれだけではなかったのですが(笑)。
会社の雰囲気が優しくて良いなと思った記憶があります。

就活で話した自己PRと
ーー田邊さん自身の就活時の強みは何でしたか?
私は失敗しても気にせず、勢いで物を作ったり、展示に出したりしてきました。猪突猛進タイプだったので、「ガンガン作って、ガンガン挑戦します」という姿勢をアピールしました。
物作りを志していたので作品集を持参したり、話すのが得意ではなかった分、めくれるフリップを作って視覚的に伝えたりという工夫もしました。とにかく「作ってきたもの」を形として見せるようにしていました。
入社後のやりがいと成長
ーー入社して感じるやりがいや成長したと思う点はありますか?
やりがいは、自分が「かわいい」と思うものを企画して、それがほぼそのまま立体化され、欲しいと思う人に届けられることです。自分の「欲しい」がそのまま商品になるのは、ガチャならではの魅力だと思います。
また、反響があった商品のSNSを見ていると、「家族にプレゼントして喜ばれた」という投稿を見ることがあります。
私の作った商品がきっかけで、家庭内や友達との間に会話が生まれていると思うと、一つの「物」という枠を超えてコミュニケーションツールになれたと感じて嬉しくなります。
他社のキャラクターと関わり、商品を作らせていただいている点も、ファンとして光栄な経験です。
成長した点としては、学生時代は一人で完結させることが多かったのですが、今は版権元との交渉や社内での安全確認など、他の部署・会社との連携が必要になりました。物作りを通じて他社の商品やプロモーションなどに対しても「きっとここは大変だったんだろうな」と思えるようになったのは、大きな変化です。

タカラトミーアーツの社風と雰囲気
ーータカラトミーアーツの社風はどのようなものですか?
他社を知らないので一概には言えませんが、社内の雰囲気はフラットで分け隔てがなく、穏やかだと思います。
社員の多くがアニメやキャラクター、かわいいものが好きで、日常会話でも「今日の服かわいいね」や「このアニメ見た?」など、フランクなやり取りが多いです。友達のような感覚で接する人が多く、安心して働ける職場です。
ーータカラトミーアーツが求めている人物像はどのようなものですか?
中村:私は採用担当ではないので会社としての意見は申し上げられないのですが、個人的に一緒に仕事をしたいと思うのは、個性のある人です。突き抜けた発想を持つ人もいれば、「突出した趣味はないが満遍なく色々な事が好き」というフラットな人もいて、それぞれの個性がうまくかみ合っています。
自分の意見をしっかり持ち、言われたことをそのままやるだけでなく、自発的に動ける人は、周りにも良い刺激を与える存在です。そういう人と仕事をすると楽しいです。

タカラトミーアーツの企画部と広報部の仕事
ーー企画部と広報部ではどのような業務を行っていますか?
企画部では、商品の発案から開発までを一貫して行います。最初の企画提案から工場との仕様調整、コストの確認、商品のクオリティ管理、最終的なパッケージやPOPデザインの原案まで担当することもあります。
また、年間スケジュールを立てて商品の発売時期を調整するMD業務や、アニメ会社・版権元との交渉も行います。
中村:広報部はガチャだけでなく、アミューズメント事業、ぬいぐるみ・雑貨などを担当するFV事業、OEM事業など、会社全般に関わるところでのPRを担当しています。
商品のプレスリリース作成、メディア対応、ホームページ管理、SNS運用のほか、おもちゃショーやアニメ系のイベントといった大規模イベント対応も行っています。

広報の難しさとやりがい
ーー広報の仕事で大変なことややりがいを感じることは何ですか?
中村・西北:大変なのは、どの商品情報をどのタイミングで発信するかを判断することです。各事業部やマーケティング担当と連携して、ニュースになる仕掛けを考えるところです。
またSNSやWeb発信では、企業イメージへの影響が大きいため、言葉遣いや発信時期にも注意が必要です。時世や社会的テーマに配慮した表現も求められます。
やりがいは、発信した情報が大きな反響を呼んだときです。商品や会社に好意的に興味をもっていただける情報発信ができたときに「やって良かった」と感じます。
大学生・就活生へのメッセージ
ーータカラトミーアーツに入社したい人が大学時代にやっておくと良いことは何ですか?
採用担当ではないので一概には言えませんが、何かを作った経験があると良いと思います。
物に限らず、チームだったりイベントだったり、何かを生み出した経験のある人のエピソードは同じ就活生から見ても印象に残りました。また自分を象徴するキャッチコピーのある人は発言に統一感があって聞きやすかったです。
中には一貫してある作品が大好きだ!という強い愛を軸に自己アピールを続けて採用された同僚もいました。立派な実績ももちろん輝かしいですが、それだけでなく、自分の「好き」を語れる熱意が私は好きです。
学部や専攻はあまり関係ありません。例えば、生物や文学を研究している人がおもちゃ業界で活躍していることもあります。特定の学問よりも、自分の好きなことを仕事にできる姿勢が求められていると感じます。

どんどん挑戦して興味の幅を広げよう!
ーー就活生や若い世代に伝えたいことはありますか?
就活生の方には、就きたい職業を探すうえで、自分の得意不得意を考えすぎなくても大丈夫だと伝えたいです。
私自身の経験上、会社に入ってから、学生のときに学んだことを生かそうと思っても、全然通用しなかったり、逆に学生のときに苦手だと思っていたことが会社で生かせたりすることがあります。
大学を卒業して、仕事をするようになってから覚えることもたくさんあるので、今の自分に一喜一憂しなくても良いと思います。

中村:学生時代にできることは全て挑戦した方が良いと思います。
興味があることをやっておくと、一つの経験として自分の中に入り、それが将来どこかで生きてくるかもしれません。
アルバイトでも旅行でも習い事でも、何かしら経験を広げておくと、社会に出たときに「あのときの経験に似ている」と感じたり、同じような気持ちになるタイミングがあるので、色々な経験を積んでおくことをお勧めします。
西北:興味の引き出しがたくさんあると良いと思います。
企画や広報の仕事でも、過去の経験があることで生まれる発想があります。インプットがあるからアウトプットができます。
社会人になると仕事以外のことに割ける時間が少なくなる傾向にあるので、時間が十分にある学生のうちにできるだけ色んな事に興味を持ち、多くのことを経験してほしいと思います。
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