【知るカフェ#1】 東大慶應早稲田!有名大学近くの無料で使える「知るカフェ」ってどんなカフェ?運営会社の人に仕組みを直接聞いてみた!
就職活動は、学生にとって大きな転換期。数多くの企業の中から、自分に合った会社を選ぶのは簡単ではありません。
そんな悩みを抱える学生たちをサポートするのが、「知るカフェ」です。「知るカフェ」では社会人との交流を通して、自分のキャリアを考えるきっかけを提供しています。
就活生なら、いえ、大学生なら知っておきたい知るカフェ誕生の背景や、学生と企業をつなぐ仕組み、そして今後の展望について、株式会社エンリッション社員の島田さん・知るカフェ店長の渡邉さんのお話を全3回でお届けいたします。
第1回 では、島田さんに知るカフェのシステムについて詳しく伺いました。
*話し手:株式会社エンリッション島田さん
目次
知るカフェ設立経緯
ーーー知るカフェの誕生や活動について教えてください。
当社(エンリッション)は2013年10月に創業しました。
「世界中の学生に選択肢を与え人生を豊かに」とミッションを掲げています。
具体的には、「具体的には、大学1年生から将来の機会を考える、社会に触れ合う環境を作りたい」というところです。
どんな仕事や業界があるのかということや、知るカフェの場を通して働くことに興味・関心を持ってもらう。
知るカフェがあったから今の自分に出会えたとか、この仕事に出会えたとか、この会社に出会えたという機会を作ってほしいと考えています。
また、日本だけではなく、インドにも展開しておりますので、世界中の学生に1人でも多くそのような場所を提供したいというところで、創業しています。
代表の「経験」から生まれたカフェ
エンリッション代表の柿本は、大学生のとき、社会人とスノーボードをするサークルに入ってました。
1、2年生時の行き帰りの車の中で、社会人から「このトンネル、自分たちが作ったんだよ」とか「商社の仕事ってこんなんなんだよ」というような、あらゆる業界の話を社会人から聞いていたそうです。
そのため、自分が大学3年生になる時点では、「やりたいことが明確に決まっていた」と聞いています。
将来を考えるのは就活の時だけでいいのか
しかし当時、2008~9年ぐらいの就職活動氷河期時代。
学生は行きたいところへ就活するよりは、就活サイトでとりあえずエントリーをし、100~200社とやり取りをし、受かったところに入社するのがメジャーでした。
「3年生のこの一瞬だけで、自分の将来を決めていいのか?」
柿本はその方法に疑問を感じていたのだそうです。当時の行き帰りの車の中のように、カフェ空間の中で気軽に学生が社会人と出会う機会を作りたい。
これが知るカフェ誕生の背景です。そのため知るカフェでは、Meetupのようなサービスが積極的に行われています。
※知るカフェMeetup:企業の担当者と少人数で直接話すことができる座談会イベント。定期的に開催している。
知るカフェのビジネスモデル
当社は2013年に創業し、最初に同志社店がオープンしました。
千葉大を含めて21店舗なので、現在では21店舗ございます。知るカフェは国立大学の中や、各大学の前などに出店しています。
>>知るカフェ出店状況:知るカフェ公式サイト
現在、企業さんに年間の参画費用を頂き、その中で人件費や、学生にドリンク無料、家賃等を支出するという形です。
そのため、各大学の前に出店することになったら、99%は大学の目の前にある大学生が集まります。
導入企業との協力
導入企業のメリットとしては、その大学ごとにターゲティングできるという事です。
また、1~2年生のうちから接点を持つことができ、サービスとしてMeetupという、学生と交流する少人数制の座談会をしています。
それから、サイネージで企業のロゴを継続的に応援することで、1~2学年の頃から企業の認知があるような状態を作っています。
BtoBの企業ですと、なかなか良い企業でも、学生はBtoCの知ってる会社しか興味なかったりします。そういったところをBtoBの企業さんにお話をしてもらっています。
参画企業様によりによりカフェの来店数を増やして、サイネージを見る人を増やすことや、Meetupのイベント、座談会に参加する人数が大事だったりするので、そういったところを増やしていくというところが、知るカフェの役割となっていると思います。
Meetupは年間2,500回!
実績としては全店舗で月3万人の来店を記録し、年間2,500回のミートアップをしています。
柿本の体験イメージでいうと、スノボに行く車を2,500台発車してるような感じです。
登録は3年生も多いのですが、現状は1~2年生が半分ぐらいです。1年生から、将来について考える機会を提供していくというところを知るカフェが担っています。
運営は学生スタッフにおまかせ
店舗に来る来店人数を増やすとか、Meetupの参加者数を増やすというところが、学生スタッフの役割になっており、これらの仕事を学生たちだけで運営しています。
数字を上げる役割、Meetupの参加者ををどうやって増やすか、学生向けの施策を打ち、広報をしていく。またそこで働く20名のスタッフをマネジメントしていく事が、店長の役割になります。
一方社員は、スタッフのサポートや頑張る仕組みを整えます。店長がちゃんと動けてるか、数字管理や評価制度の仕組みを作るのが役割です。
1年生から利用してほしい
ーーー様々な大学の学生さんと店舗の目の前にある大学の学生さんではどちらに利用してもらいたいですか。
基本的には、各店舗の近くの大学生に利用してもらいたいと考えています。
名古屋だと南山大学と名古屋大学の間にあるので、あの両方の大学の学生さん使ってもらうこともありますが、関東の場合だと大学の目の前に店舗があったりするのでほとんどがその大学の学生かなと思います。
ーーーキャンパス内店舗と学外店舗がありますが違いはなんですか?
出店のタイミングです。
設立当初、大学の中に店舗を作りたかったのですが、そのタイミングでは当社の実績がなく出店できませんでした。それから認知度が広がるにつて、大学が招待してくれるようになってきました。
最近は、学生の福利厚生とキャリア支援の位置付けで招待されることが多いです。
ーー 利用者の半分ぐらいが1~2年生とのことですが、意図したマーケティングの結果ですか?
当社としては、主に1年生に提供したいと考えています。
1年生から就職について考える機会を提供して、3年生のタイミングで行きたい会社が決まっていることが理想です。
しかし現状としては、就職活動は3年生からすることが多いです。
行きたい会社が既にある就活生も、イメージで決めるのを払拭するために、いろんな業界を見てもらうという意味で利用が増えてる印象です。
[ 文:東濱理沙 / 編集:吉中智哉]
[撮影/デザイン:舩越英資]