#1マスコミ業界を目指す就活生必見!学生時代からの夢を叶えた新聞記者が語る就活体験談とメディア業界の現在


新聞記者って、どんな仕事をしているんだろう?そんな疑問を持ったことはありませんか?マスメディアに触れることはあっても、その中で働いている人を知ることは案外稀です。

そこで今回は、朝日新聞で働く現役の記者さんのキャリアについて伺います!

メディアを目指す学生として、テレビや新聞に憧れ、報道記者の夢を追いかけた河原さん。

第1回は、就職活動では挫折を経験しながらも、朝日新聞社への内定をつかみ取るまでの道のり。また、入社後のキャリアやデジタル化が進む新聞業界の現状についても語っていただきました!

【河原さん】

朝日新聞記者・withnews編集部記者

立教大学社会学部卒業後、2010年に朝日新聞に入社。withnews編集部にて、記者として活躍。2児の母であり、次男は超低出生体重児という経験も持つ。障害・医療的ケア児、付き添い入院、男性育休など、多岐にわたるテーマに関心を寄せている。

朝日新聞社に入社するまで

ーー朝日新聞を目指したきっかけを教えてください。

学生時代からメディアを目指していました。当時はまだネットが発達していなかったので、情報を知る上でのツールはテレビや新聞・雑誌といったマスメディアでした。

新潟県佐渡島に生まれ育ちましたが、私にとってメディアは視野を広げてくれるし、娯楽の中心。「テレビが好き」から始まって、いつか自分も「テレビの世界に入って情報を伝える側になりたい」と思ったのが始まりでした。

幼いころから日本や世界で起きているニュース、社会問題に興味があったので報道記者を志しました。

大学を選ぶ時点で「メディア業界」「報道記者」という目標があり、メディアについて学べる学部学科を受験しました。1浪の末、立教大学社会学部メディア社会学科に入学しました。

記者へのこだわりを貫き通した就活

テレビ局の報道記者を志望していましたが、いざ就活を始めるとなかなか思うようには行かず、春採用は全滅。秋に採用があるテレビ局は少なかったので、就職浪人も頭をよぎりました。

とにかく記者になりたいという軸が根底にあったので、並行して新聞社や通信社も受けていました。

メディアは違っても、自分が現地に赴いて取材し、その内容をアウトプットするという点では共通しています。記者職にこだわって就活を続けた結果、幸いにも秋採用で朝日新聞社に内定をいただきました。

入社から現在のキャリア

新卒で配属されたのは大阪。その後、愛媛、埼玉で勤務し、2015年から現在まではずっと東京本社で働いています。

仕事内容に関しては、入社してから東京に異動するまで、ずっと取材して記事を書くという記者職をしていました。

2015年に東京に来た時、新聞のレイアウトや見出しを担当する仕事に移りました。外勤の職場から、内勤の仕事に変わり、夜勤中心の生活リズムになりました。

その後、現職のwithnews(ウィズニュース)の部署に異動しました。withnewsは朝日新聞が運営している無料のニュースサイトです。

withnewsに異動して6年程ですが、その間に妊娠出産で計2年休んでいるので、実質4年ほど担当しています。

withnewsとは(https://withnews.jp/about)より

1995年にはデジタル化した朝日新聞

朝日新聞に限らずですが、紙媒体の新聞発行部数は年々減少しています。年代別に見ると、やはりボリュームゾーンは皆さん(大学生)の祖父母世代です。親世代になるとガクッと減るというのが新聞の今の現実です。

一方で、今は各社デジタル部門に力を注いでいます。朝日新聞は早い段階でデジタルに参入しました。1995年にasahi.comというニュースサイトを開設しています。

朝日新聞:朝日新聞社のニュースサイト

朝日新聞社のニュースサイトです。政治、経済、社会、国際、スポーツ、文化、科学などの速報ニュースに加え、教育、医療、環境などの話題や写真も。

現在はSNSを使った情報発信が当たり前になっていますが、朝日新聞のLINE友だち登録数は578万(2023年9月時点)と多くの方にご覧いただいています。

デジタル版の読者は、紙面よりかなり年齢が若くなります。さらに、PCで見る人とスマホで見る人の間にも年齢差があります。

朝日新聞のデジタル版は、月額980~3800円の三つのコースがあります。一方、withnewsは無料で、Yahooニュースやスマートニュース、LINEニュースなど、プラットフォームにも配信して多くの人に読んでいただいています。

記者になるために学生時代にしてきたこと

ーー記者になるために大学時代にしていたことはありますか

マスコミを目指していたので、テレビ局や出版社のアルバイトを探したり、放送研究会に入ったりして、少しでもメディアと接点を持てないかと考えていました。

3年生になるとインターンなど就職活動が始まります。自分のアピールポイントをESにまとめないといけませんが、私は本当に書けることがなくて悩みました

そこで、「関心を行動につなげよう」と自分の関心分野や課題感をを深堀するためにボランティア活動に参加しました。ホームレスの方の炊き出しや、障害者レスリングの団体にボランティアスタッフとして参加しました。

その経験は記者になった後も活きています。基本的に記者の仕事は部署の中で決められた担当分野を取材する場合と、自分でテーマを決めて取材を進める場合があります。

大阪や愛媛、埼玉で働いていた時は、入社1〜4年目くらいの記者が概ね経験する警察や行政、県政、市政の記事を書いていました。同時に、自分が興味のあるトピック、例えば障害者支援についてなども記事にしていました。

紙面とWeb記事の媒体の違い

Webメディアを経験して難しさを感じるのは、届け方です

紙面だとめくるなかで目に触れて偶然知ってもらうことがありますが、Webだと、そもそも記事に出会ってもらわないといけません。見出しや写真を見て、自分が関係あるな・興味あるなと思わなければスルーされてしまいます

Webの世界では、ニッチな話題でもコアなファンに届く実感もあるので、そこは「マス」の新聞とは違う点かもしれません。

[ 文:東濱理沙 / 編集:吉中智哉]

[撮影:梨本和成]

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探究ゼミ編集部
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