【第1回】株式会社エールのカプセルトイ事業とは?1人で立ち上げた商品開発の裏側と仕事のやりがい

「ガチャガチャ」という言葉を聞くと、子どものころのワクワクを思い出す人も多いのではないでしょうか。

そんな小さなカプセルに、“大きな夢”とアイデアを詰め込んでいるのが、株式会社エールのカプセルトイ事業です。

第1回では、海外展開や商品開発を手がける森國大輔さんを中心に、国内の販促や営業を担当する梁田ゆう梨さんにもお話を伺いました。

1人で始まったカプセルトイ事業が、いまや国内外へと広がるまでの道のりや、ものづくりの現場で感じるリアルなやりがいについて深掘りしていきます。

\この記事でわかること/

  • 株式会社エールのカプセルトイ事業がどのように立ち上がったのか
  • カプセルトイの商品企画・制作の具体的な流れ
  • 多くの専門職が関わるモノづくりの現場
  • エールならではの強みと、若手が挑戦できる社風

\こんかいインタビューに応えていただいた方/

カプセルトイ事業部 部長
 森國大輔(もりくに・だいすけ)さん

カプセルトイ事業部 係長
 梁田ゆう梨(やなた・ゆうり)さん

エール入社のきっかけ

ーーエールに入社した経緯を教えてください。

2014年頃、アミューズメント施設のプライズ商品を販売する営業として入社しました。入社当時、社内にカプセルトイの部署はまだありませんでした。

その後、社内でカプセルトイ事業を立ち上げることになり、最初は1人で担当することになりました。

もともと小さい商品を作るのが得意だったので、その経験を活かせるのではと思い、カプセルトイ事業を任せてもらいました。

ーープライズ商品からカプセルトイに挑戦しようと思った動機は何だったのでしょうか。

きっかけは社長からの指示でした。私はヘッドハンティングでこの会社に入り、約6年間アミューズメント向けの小型商品を作っていました。

子どもの頃からガチャガチャが好きだったので、声をかけられたときは「やってみよう」と素直に思いました。


プライズ商品:クレーンゲームなどで獲得できる景品のこと。

カプセルトイ事業部の業務内容

ーー現在のお二人の業務内容を教えてください。

森國  常に海外を飛び回っていて、主に中国での生産管理や海外販売を担当しています。日本国内の業務はあまり行っておらず、毎月30〜50アイテムの新商品をリリースするため、何百もの企画を同時に進めています。

梁田 私は、ガチャガチャ筐体に入るポスターのデザインディレクションや商品の仕様確認、注文書の作成、メール対応といった事務作業に加え、営業活動も担当しています。

筐体:ガチャガチャの機械本体。

体力と締め切り勝負のなかでのやりがい

ーー仕事の中で大変だと感じることを教えてください。

森國  飛行機での移動が大変です。例えば、昨日は韓国にいて、一日置いてすぐ中国に行くなど、日本にいる時間が少ない程です。

また、工場での検品や商品管理など体力を使う仕事が多いです。

梁田 常に締め切りのある仕事なので、案内の準備や商品の準備が問題なく最後まで出来るかどうかで毎月ヒヤヒヤしています。

締め切りが遅れるとカタログの発行も遅れ、計画の全てがずれ込んでしまうため、常にプレッシャーがあります。

ーーその中で感じるやりがいは何でしょうか。

森國 頑張って作った商品が売れたときに、非常にやりがいを感じます。売れる商品と売れない商品では数量に何十倍もの差が出るので、売れたときは特に嬉しいです。

梁田 友達がガチャガチャを回して、それをSNSに投稿してくれるのを見ると嬉しいです。私が勤めていることを知らない人が商品を良いと思って購入し、それを発信してくれることにやりがいを感じます。‎

商品企画と制作の裏側

ーー商品企画のアイデアはどのように生まれますか?

アイデアの入り口はさまざまです。商品名から膨らませることもあれば、造形の面白さから考えることもあります。

日頃から「何が売れるか」「面白いことはないか」を考えていて、夜中に思いついたアイデアをそのままLINEで送ることもあります。

ネタ帳には何百、時には千個近いアイデアが溜まっています。現在は、営業職から上がってくる企画が全体の半分以上を占めています。

ーープランナーやデザイナーはどれくらいいるのでしょうか。

会社全体の約半分、50名ほどがプランナーやデザイナー職です。

デジタル、フォトグラフィック、イラスト、原型設計など、多様な専門スキルを持つスタッフが揃っています。

一つのカプセルトイが誕生するまで

ーー商品が完成するまでの流れを教えてください。

例えばフィギュアの場合、まず企画を立て、ポージングや形状を検討します。次に原型を制作し、完成後は量産用の金型製造へ進みます。

企画に約1ヶ月、原型に1ヶ月、金型に約3ヶ月。その後、テストショット(試作)や塗装調整に1ヶ月ほどかかります。

こうした流れを経て、最速でも約6ヶ月。実際に店頭に並ぶまでには9ヶ月ほどかかります。

ーー商品ができるまで、どれくらいの人数が関わっていますか?

商品作りには少なくとも10人以上が関わります。

イラストを描く人がいて、原型を作る人がいて、サンプルの修正指示をする人がいて、店頭に並ぶディスプレイPOPを作る担当者もいます。

さらに、全体の流れを把握して調整するディレクションの担当者がいて、発注やスケジュールを管理する人もいます。

工程は20以上に細かく別れており、どこか一つでも抜けると商品は完成しません。また貿易も自社で行っているため、海外との調整を担う国際部のスタッフも深く関わっています。

最初の企画段階から店頭に並ぶまで、一つの商品に本当に多くの人が関わっていることがわかります。

安価かつボリュームのある商品を

ーー商品企画をする際に、特に意識していること・大切にしていることはなんですか?‎

最も意識しているのは、 ボリュームと価格です。他社よりも価格を抑えつつ、カプセルを開けた瞬間に「大きい!」「しっかりしている!」と感じてもらえるような満足感を追求しています。

カプセルの中にできる限り商品をぎっしり詰めることにこだわっており、開封した時のインパクトは特に重視してきました。

ーー初めて売った商品はなんでしたか?

最初に手掛けたのは、「ソーラースイング」という商品です。太陽の光を浴びるとゆっくり揺れて動くタイプのもので、2014年の12月に発売しました。

当時、アミューズメント景品でソーラースイングが人気だったことから、「それをカプセルトイとして作ったら面白いのでは」と考えて企画したものです。

最初は1人で全ての作業を行い、営業からクレーム対応まで担当していました。

自由な発想とスピード感がエールの強み

ーー他社に負けないというエールの魅力や強みはなんですか?

森國 発想の自由度が高く、「こういうのもやってみよう」という柔軟な姿勢があります。流行への対応スピードも早く、商品ラインナップの幅広さも強みです。フィギュア、キャラクターIP、設計物など、様々なジャンルを手がけています。

梁田 多様な部署があり、一つの商品を作るために多くの専門職と協力できる点が魅力です。営業以外の仕事も学べる環境があります。

ライバルより自分達がどうあるか

ーー商品を作る上で他社さんをライバル視されていますか。

各社にはそれぞれの強みがあるので、あまりライバル視はしていません。むしろ自分たちの路線を貫いています。

バイヤーさんも好みが異なるため、デザインで勝負することを重視しています。何が売れるかは誰にもわからないので、感覚やセンスを大切に仕事をしています。

ーー若手が活躍できる環境づくりについて、どんな仕組みや文化がありますか?

森國 若手にはやりたいことをどんどん任せています。先輩が見守ることで大きな失敗にはならないようにしつつ、自由にチャレンジできる環境があります。また、若世代の発想や感性を大切にしており、先輩社員も若手社員から学ぶことが多いです。

梁田 日ごろから会議が多く、様々な視点からのすり合わせが頻繁に行われています。

次回:【第2回】日本のガチャガチャは世界でどう売れる?株式会社エールが語る海外展開20%を支える戦略と市場の違い

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