#3 すべての挑戦者へ贈る、一歩を踏み出すメッセージ!山川恭弘氏が新刊『バブソン大学で教えている 世界一のアントレプレナーシップ』で1番伝えたいこと

「夢を描き、一歩踏み出す勇気を持とう。」

そんなメッセージが込められた新刊『バブソン大学で教えている 世界一のアントレプレナーシップ』が2024年5月に発売されました。本書は、人生の進路に迷う学生やキャリアに悩む社会人、さらには新しい挑戦を始めたいすべての人に向けた指南書です。

アントレプレナーシップとは、起業だけでなく、あらゆる困難に立ち向かい、新たな価値を生み出す精神。その本質を深く学ぶことで、誰もが自ら行動し、未来への一歩を踏み出すためのヒントを得ることができます。

「どんな本か気になるけど買うか迷う」「ちょっとだけ中身を知りたい」と思う方もいるでしょう。そんな方のために、新刊で一番伝えたいメッセージをお聞きしました!

少しでも共感する部分があれば、ぜひ『バブソン大学で教えている 世界一のアントレプレナーシップ』を手に取り、次の一歩を見つけてみてください。

【山川恭弘さん】

慶應義塾大学法学部を卒業後、カリフォルニア州クレアモントにあるピーター・ドラッカー経営大学院にて経営学修士(MBA)を取得。その後、テキサス州立大学ダラス校にて国際経営学博士号(Ph.D.)を取得。2009年度よりバブソン大学准教授を務める。

専門はアントレプレナーシップで、学部生、MBA、エグゼクティブを対象とした講義を担当。日本国内の複数大学で教鞭を執る他、経済産業省J-Startup推薦委員、文部科学省起業教育有識者委員会のメンバーとしても活躍している。

新刊『バブソン大学で教えている 世界一のアントレプレナーシップ』について

ーー新刊「バブソン大学で教えている 世界一のアントレプレナーシップ」はどんな人に読んでほしいですか?

何かにモヤモヤしてる人に読んでいただきたいです。例えば、大学生で、就活をしていて、いよいよ本選考前となり、これからの自分の進路・キャリアについて悩んでいる人。

他には、会社に入社したんだけれど、転職や副業、兼業など様々な選択肢がある中で、自分には何が出来るのだろうとキャリアについて悩み始めた人です。自分の仕事がありながら、ネットワークを広げたり、世界観を広げたいなと思っている人にも良いと思います。

「アントレプレナーシップ」には起業家のイメージがあるかもしれませんが、本来の意味はもう少し普遍的なものです。そのため、老若男女全員が対象ですし、部活や子育てなど幅広いものに活かしてほしいです。

*編集注:アントレプレナーシップとは?

アントレプレナーシップとは、様々な困難や変化に対して、与えられた環境に縛られることなく、自ら行動を起こし、新しい価値を生み出していく精神のことです。

(出典:文部科学省アントレプレナーシップオフィシャルサイト https://entrepreneurship-education.mext.go.jp/

以前、出版した一冊目の本は、「ビジネススクールで教える」というタイトルでした。

すると、Amazonのレビューで「これは最高の子育て本でした」と書かれたことがあり、とても驚きました。それと同時に、内容をしっかり読み込んで子育てに応用してくれた読者がいたことが、とても嬉しかったです。

今回の『バブソン大学で教えている 世界一のアントレプレナーシップ』も、読者の方がそれぞれの視点で読んでいただき、「別の場面で活かせる!」と言ってもらえる本になればと思っています。

Amazonの評価欄で「これは最高の子育て本でした」と書いてくれている人が中にはいて、すごく嬉しかったです。内容を読み込んで、子育てに生かせると思ってくれた人がいたのです。

本屋のどこに置かれるか

「バブソン大学で教えている 世界一のアントレプレナーシップ」のターゲットに関するエピソードがあります。実際に出版されたときに書店のどの棚に配置されるかが心配であり、楽しみでもありました。

「世界一のアントレプレナーシップ」と言っても、ビジネス本なのか、自己啓発本なのか題名からはっきりしていません。書店のどこに置くかは、書店員さんの判断次第です。

それで日本に帰国してから、東京、名古屋、岐阜、京都、九州など、行った先で暇さえあれば、書店のどこに売っているのか確認してきました。

そうしたら、本当にバラバラだったんです!この本のマーケティングに改善点があるとすれば、「タイトルで明確にポジショニングを示す」ことかもしれません。タイトルが示すターゲット層をより明確にすることで、本が埋もれるリスクを減らせたかもしれません。

「アントレプレナーシップ」と「起業」の結びつき

ーー 新刊は本屋さんの中でどこのどのようなところに置かれることが多いですか?

一番多かったのが、MBA(経営学の修士)、ビジネススクールのコーナーです。世界一の起業家教育を誇る「バブソン大学」の名前がタイトルに入っていることが影響していると考えられます。

最近は、書店の起業家コーナーがすごく大きくなっています。私が起業家教育を日本に布教し始めた当時は「アントレプレナーシップ」という言葉を誰も知らないし、起業本という括り自体がありませんでした。

今はこれだけ起業家コーナーが広がっているにも関わらず、私の本は起業コーナーに入っていませんでした。アントレプレナーシップと起業、起業家教育が繋がっていない、というのは嬉しい誤算だったのかもしれません。

バブソンでは、起業しろ!ではなく「起業家のように考えて行動し、世の中に溢れる問題課題を解決しよう!」が根幹にあるので、アントレプレナーシップが起業を超えているという認識は、その通りなのです。

バブソン大学公式HP(https://www.babson.edu/)より

本屋ジャンルのジレンマ

ーーやはり起業家の方が目にするところに配置するのがいいですか?

考えさせられる質問ですね。「アントレプレナーシップ」は、もちろん起業に大きく関係がありますが、起業家だけのものではありません。

バブソン大学も、みんな起業家になろう!ではなくて「起業家のように考えて行動してみよう」という教育をしています。そのため、起業の棚に入れない方が、ポリシーが一貫しています。

一方で、誰も買ってくれないと影響の範囲が狭まってしまうので、売りやすい方法や関心を集める方法を考えると、「起業家教育」として置いてあった方がインパクトは強いのかもしれません。

加えて、今現在起業家の人や今後起業家になりたい人は、起業コーナーに行くので、そこに置いてあってほしいなという思いもあります。本当にジレンマです。

新刊を通して伝えたいメッセージ

ーーこの本で一番伝えたいメッセージは何ですか?

「一歩踏み出して挑戦してみてほしい」です。夢を描いて失敗を恐れず、一歩踏み出してください。

人生一度きりだから悔いのないように、自分の生きがいを探してみて、挑戦してほしい。

必ず誰かが応援してくれるから、自分が興味のあること、大好きなことに対して一歩踏み出してほしいです。

今の時代AIが全盛で、以前よりも、何でもシミュレーションできるようになりました。他の人に聞いたり機械に聞いたりしている間に、やっぱり挑戦するのをやめようと考えがちです。

答えを知れば知るほど、人は行動しなくなってしまいます。でもそうではなく、あまり考えすぎずに、一歩、もう一歩踏み出してもいいんじゃない?行動してみたら?と思います。

行動するだけで勝ちの日本

考えることと行動することには、大きな隔たりがあります。考えている人たちはどんなアイディアがいいかとか、どんなキャリアがいいかとか、本当に色んな事を深く考えています。

それなのに本格的にそれを行動に移す人はものすごく少ないです。だから日本では行動さえ起こしてしまえば、そこから、それだけで普通ではなくなります。行動するだけで、平均より優れていることになるのです。

日本だと行動しただけで抜きんでるっていうのは、ものすごいアドバンテージです!

若いだけで得

若いだけで、知らないだけで、もう得しています。なぜかというと、過去とか知識に固執しないからです。

現代は今までの成功方程式が通用しなくなっていると言われていて、そうなると新しい発想が大事になります。そんな中で今までの経験、年数、知識は思考の範囲を狭めてしまうので足枷になります。

一方「若さ」はその足枷がない状態なので得になります。積極的に活かしましょう。

大きい会社に入っても小さい会社に入っても、「私これ知りません」とか、「新しいので」とか、むしろアピールしに行って誇りに思ってください。経験がないのが、今までは言い訳(excuse)でしたが、今では信用(crediblity)のもとだったりします。

チャンスを掴むのも、問題を解決するのも自分

以前は若手社員が上司に積極的に提案する機会が多く、上司側も提案を歓迎していました。しかし、現在ではそうした姿勢が薄れつつあり、仕事もチャンスも「待つもの」という風潮が広がっているように感じます。この状況は少し寂しいものです。

「ないものは自分で作る」「うまくいかないなら自分で何とかする」という主体的な姿勢を持つことが、今こそ求められています。

「待つ文化」から抜け出そう

日本では、「辛抱強く待てば、誰かが助けてくれるだろう」という風潮が根付いています。自分がやらなくても、誰かが何かをして救ってくれるだろうみたいな風潮です。

一方、海外では基本的に誰も助けてくれません。自分で解決しなきゃいけないんです。

問題が発生したとき、解決するのは自分自身です。待つのではなく、自ら行動し、解決策を見つける意識が必要とされます。

解決の方法や問題へのアプローチは、直接的であれ間接的であれ、多様です。一個人として、解決策を探ったり、意識を高めたりするなど、自分にできることを実践する姿勢が求められます。

[ 文:東濱理沙 / 編集:吉中智哉]

[写真:梨本和成 / デザイン:舩越英資]

\ 編集部PickUp /

今回取材した山川恭弘さんの単著『バブソン大学で教えている 世界一のアントレプレナーシップ』が、2024年5月に発売されました。

本書は、世界トップクラスの起業家教育で名高いバブソン大学での豊富な経験をもとに、アントレプレナーシップの本質と、それを実現するための具体的な方法を丁寧に解説しています。「起業」という枠を超えて、自分自身の可能性を引き出し、未来を切り拓くためのヒントが満載なため、大学生だけではなく新卒社会人の方々にも特にオススメです。

アントレプレナーシップは、起業家だけのものではありません。どのような仕事やキャリアにも活かせる普遍的なスキルです。本書では、「失敗を恐れず挑戦するマインドセット」や「アイデアを形にするプロセス」が、実際の事例を交えながらわかりやすく解説されています。それ以上に、「もう一歩前へ」という熱いメッセージが、何度も何度も繰り返し登場します!

失敗に対するマインドが変わるだけではなく、夜に読むと眠れなくなるぐらい行動したくなります。大学生活は、新しい挑戦に最適な時期。本書は、その一歩を後押ししてくれる心強いガイドとなります。「自分の未来を自分で作りたい」「挑戦したいけれど一歩が踏み出せない」という方に、ぜひオススメしたい一冊です!

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探究ゼミ編集部
探究ゼミ編集部
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